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2015/05/03
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ハイブリッド手術室について、私自身の理解を深める意味でも少し見ておこうと思う。 心臓血管外科医や循環器内科医にとっては常識かもしれないが、ハイブリッド手術室とは、X線透視装置が設置された手術室の事である。つまり外科手術とカテーテル治療を行う事が出来る手術室の事をこう呼んでいる。 X線透視装置と手術室が組み合わさったという意味でhybrid(融合、雑種などの意)なのである。 手術と同時並行で、X線透視ができるので、カテーテルを使った血管内治療や血管内から心臓へアプローチする大動脈弁置換術などでは必要不可欠な手術室とされている。
循環器領域では近年、患者にとって、より低侵襲な治療、即ち、カテーテルによる血管内治療を治療法として選択するケースが増えている。主に循環器内科医が心カテ室でPCIなど心カテ治療を行うが、患者の状況によっては治療中に緊急手術(開心術、開胸手術)に移行せざるを得ない事態も想定される。 そういったケースで、感染症リスクを避ける為、空気清浄レベルのより高い手術室に患者を移して外科手術を始めるといった従来型のやり方から一歩進んだのが、このハイブリッド手術室における治療という事のようである。 ハイブリッド手術室の仕組みは従来型の手術室に高精度のX線透視装置を据え付けたもので、外科手術や血管内治療とX線撮影を同時並行で実施する事ができるのが特徴である。 手術台も全方位から患者のX線透視が可能となる万能手術台となっており、撮影画像は3D処理された立体画像としてモニターで確認する事ができる。
ハイブリッド手術室の普及により経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)も増加しており、(TAVIを行うにはハイブリッド手術室があり、冠動脈のカテーテル治療を年間100例以上実施している施設でハートチームとして治療に当たる事などが条件として義務付けられている。) こういった流れからも、循環器内科医と心臓血管外科医がタッグを組むハートセンターやハートチームの体制が整った病院や循環器専門病院(クリニック)などの施設に心臓病の症例が集中する傾向が今後益々進むものと思われる。
次回コラムにて、もう少し循環器領域、心臓病などについて見ていきたい。
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著者:三木正孝
医師転職コンシェルジュ代表。医師の方が自分らしい働き方、ライフスタイルを過ごす事が出来る様な転職支援を行う医師転職コンシェルジュを運営しております。医療業界や医師転職に関する情報に独自の意見も加えて発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。
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