中国・四国エリアの医学部
岡山県エリア
広島県エリア
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香川県エリア
愛媛県エリア
高知県エリア
中国・四国エリアの医師転職マーケット
各県とも県庁所在地や医学部(附属病院)のあるエリア周辺には医療機関が充実して配置されており、医師数も全ての県で全国平均を上回っている。
マクロ的には医師は充足傾向にあるエリアと言える。
医学部を見ても岡山県に2大学とそれ以外の全ての県が各1大学とバランスが取れており医師の他エリアへの流出も比較的少ない。
基幹病院の殆どは大学医局との関係が強い事がひとつの特徴として挙げられる。
特に岡山県は岡山大学病院(「旧六医科大学」の歴史もあり、岡山県内のみならず兵庫県西部や香川県にも関連病院を持ち、医局員の派遣を行うなど影響力が大きい)、川崎医科大学病院、それに倉敷中央病院と有力どころが岡山市と倉敷市で大きな存在感を放っている。四国では徳島県の医師数(人口10万人対)が全国1位であり、徳島大学医学部が「新八医科大学」の歴史を持ち県内のみならず影響力が大きい。
中国・四国エリアのいずれの県も県庁所在地や医学部附属病院のある都市部近郊では基幹病院はいずれもどこかの大学医局から、或いは科目別に複数の大学医局から医師の派遣を受けているケースが多く、外科を中心に一般外部の医師が正規スタッフとしてポジションを得る事はなかなか難しい環境にある。
一方で中堅規模の民間病院や郊外、過疎地(例えば山陰・日本海側や山間部、四国の山間部やへき地など)の医師不足はやはりこのエリアも例外ではなく、行政をあげての医師招聘に力を入れている。
都市部から車で1時間~1時間半くらいのエリアでは内科系、外科系、その他科目とも医師の求人ニーズは比較的強い為、都市部に暮らしながら勤務は郊外の病院で、という選択肢もありかもしれない。自動車が必須の地域もあるが郊外へのアクセスも比較的良好である。
中国・四国エリアの医師確保対策や医療行政
●各都県の医師数と全国平均との対比(全国平均237.8人/10万人対比)
医師数 | 人口10万対医師数 | 全国平均との対比 | |
---|---|---|---|
鳥取県 | 1,745人 | 299.8人 | 126% |
島根県 | 1,946人 | 275.2人 | 116% |
岡山県 | 5,618人 | 290.2人 | 122% |
広島県 | 7,297人 | 256.2人 | 108% |
山口県 | 3,662人 | 255.9人 | 108% |
徳島県 | 2,441人 | 314.6人 | 132% |
香川県 | 2,705人 | 273.5人 | 115% |
愛媛県 | 3,584人 | 253.3人 | 107% |
高知県 | 2,224人 | 295.7人 | 124% |
(source: 厚生労働省資料2012年12月31日現在を基にRAY Cruise Inc.が作成)
比較的医師が充足している地域が多いこのエリアであるが、医師の偏在により勤務医が不足している地域や科目も存在する。
それらに対する行政の対応として、
例えば医師数全国トップの徳島県でさえも、山間部やへき地においては医師不足が深刻で、「とくしま医師バンク」事業や「開業医有志による公的医療機関への支援体制構築」を推進し勤務医の負担軽減を図っている。具体的には海部病院、三好病院、阿部診療所、木屋平診療所等へ県医師会員による応援診療を実施している。
また、自治医科大学において、将来の徳島県内のへき地医療を担う医師の養成(毎年2名)を行っている。
また、医師不足が深刻な山陰地方を見てみると、
島根県では「島根県赤ひげバンク」や研修サポート、研修医向け貸付金制度、地域医療視察ツアーの実施など「医師確保対策室」総勢7名の体制で医師の招聘や支援を行っている。
鳥取県においては、「鳥取県医師海外留学貸付金」制度で海外への留学を希望する医師を呼び込み、帰国後に県内に定着してもらおうという取組などを行うなど、各県とも医師の偏在や医師不足の解消を目指した取り組みが行われている。
中国・四国エリアでの医師転職アドバイス
このエリアに属する各県、各地方はそれぞれに魅力があり、何処に行ってもそれなりの楽しみを見出す事ができるだろう。
海の幸や20世紀梨の美味しい鳥取、
出雲大社や宍道湖の島根、
幕末浪漫を味わえる城下町・萩やフグの美味しい下関を要する山口、
安芸の宮島や広島東洋カープの本拠地・広島、
日本三名園のひとつである後楽園や倉敷天領が有名な岡山。
瀬戸大橋や鳴門海峡大橋を渡って(飛行機でひとっ飛びでも良いが)四国に行ってみると、
鳴門の渦潮や阿波踊りで盛り上がる徳島、
琴平さんを擁し、うどんも美味しい香川、
道後温泉、正岡子規、みかんも有名な愛媛、
桂浜から太平洋を見つめる坂本竜馬像、闘犬も有名、カツオのたたきが美味しい高知。
医師が転職先を検討する際には、初めはあまりエリアの制限を設けない方が自身の可能性を拡げる事に繋がるかも知れない。
やりたい医療を実践できる環境が今の場所で手に入るとは限らないからである。
(様々な事情で転居はできない事もあるかもしれないが・・・。)
家を建てた住宅ローンがまだまだ残っている、子供を転校させたくない、親の介護が必要、など人が身動きを取れなくなる理由はいくらでも挙げる事ができるが、初めは自分を縛る制約事項をゼロベースにして考えてみるのも良いかもしれない。
良い方法を発見できるかもしれないし、今いる環境の中でベストを尽くす事が最善であると再認識できるかもしれない。また、今の環境に感謝し幸せを感じる事ができるかもしれない。
先ずは自分が医師としてどのような仕事観を持っているのか、何を大切にしているのか、優先事項は何なのか、といった事を突き詰めて考えていくと方向性が見えてくるかもしれない。
どんな医療をやりたいのか、
どんな生活を送りたいのか、
この2点が明確になればある程度方向性は定まってくるのではないだろうか。