高収入の美容外科、美容皮膚科、美容内科への転職!医師求人情報はどう探す?
2022/12/26
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美容外科、美容皮膚科、美容内科に転職するには?まずは美容への転職動機と美容医療の種類を確認
医師が美容医療の道へ進む動機は様々だ。
もともと美容に興味があった。美容医療が好き、育児中で当直や夜間・緊急時のオンコール呼び出しへの一般病院での勤務が難しくなった、出産を機に美容医療へ転科、時短勤務を相談しやすい勤務環境を求めて美容へ転科、ON・OFFはっきり、自由診療で高年収を稼ぎたい、結果が目に見える形ではっきり出る、未経験からチャレンジできる・・・などなど。
美容医療の道へと進む医師が増えている昨今、
まずは、ざっと美容医療の種類から確認してみよう(大きく4つに分類)。
照射機器
・レーザー(シミ、ニキビ、脱毛などの治療)
ピコレーザー(ピコシェア)など
・超音波(たるみ、お肌の引上げ、リフトアップなどの美容治療)
ハイフ=HIFU、ウルトラセルQ+、リフトアップハイフ(ドット)、脂肪分解ハイフ(リニア)など
・高周波(引き締め、痩身治療など)
ヴィーナスヴェルサ/RFフラクショナルなど
・光治療(薄いシミ、小じわなど広範囲の広く浅い美容治療)
ヴィーナスヴェルサ/IPLフェイシャルなど
注入・注射系(メスを使わない)
肌のハリや肌の明るさなどお肌の改善治療(注射によっては内出血やダウンタイムあり)
ヒアルロン酸注入、ボトックス注射、水光注射(メソガン U-225)、レディエッセなど
薬剤系(内服薬・外用薬)
お肌の改善治療(お肌のハリや弾力、シミやくすみの改善など)
自宅で可能なものもあり(ゼオスキンなど)。
体の内側からシミにアプローチする内服薬、ニキビ対応の外用薬など。
オペ(メスを使う手術)
美容外科、形成外科的治療(昔は美容整形と呼ばれていた領域)
目の二重術、鼻、豊胸、脂肪吸引、糸リフト、乳がん治療後の乳房再建、フェイスリフトなど
最近の先進型、特化型
上記4つに加えて以下の先進型、特化型の美容医療も増加している。
「再生医療」、「美容再生医療」、
「がん免疫療法」、
「幹細胞治療」、
「変形性膝関節症、半月板損傷など膝の痛み治療」
「PRP-FD®治療、培養幹細胞治療」
「男性専門美容医療」、
「AGA」、
「男性の下半身専門治療」、
「VASER(ベイザー)脂肪吸引・コンデンスリッチ豊胸(脂肪注入豊胸)」、
「QEEG検査やTMS治療」
「脱毛専門」
美容未経験の医師が美容へ転科する際に、何から始めたら良いのだろうか?
まず、始めやすいのは「未経験OK」の美容医師求人を探すのがひとつ。
具体的には、「美容内科」、「アンチエイジング内科」といった「若返り」、「体の内側から細胞を活性化」、「健康的にキレイに美しくなる」ことを目的とした美容医療分野があり、この領域は未経験OKの医師求人が多い。
年齢は若い方が有利。栄養学的な面から親和性が高い診療科目としては、糖尿病内科、消化器内科、消化器外科などが選考上は有利とされるが、内科系、外科系を問わず専門領域は不問という場合が多いので気になる求人があれば問い合わせてみてはいかがだろうか。
未経験でも転職しやすい「美容内科」とは?
美容医療に転職を希望する医師が増えている理由のひとつに「美容内科」の存在があるかもしれない。多くの美容内科では未経験からでも始められるという点が美容医療への転職ハードルを引き下げていると言えるだろう。
美容への転職(転科)を希望する医師の多くは美容医療未経験なので(美容医療の経験がある医師の方が少ない)、多くのクリニックでは研修制度が用意されている。
また、常勤のみならず非常勤の医師求人もあり、バイトから始めたい未経験医師も希望に合わせた働き方を選ぶことが可能だ。美容外科や美容皮膚の非常勤では未経験者は応募不可の医師求人が多いため、未経験者で非常勤からという人は「美容内科」から始めてみるのが良いかもしれない。
他の診療科目から美容医療へ転科、転職する際の注意点
保険診療と自費診療の世界は全くの別物、ギャップを覚悟しておく。
一般の保険診療では、外来や病棟、手術などを通じて病気の患者様を診察、治療する毎日で、病院からも患者さんからも「先生」、「お医者様」として丁重に扱われる。
しかし、美容医療のほとんどを占める自費診療(全額患者の自己負担、患者負担割合10割)は、サービス業とも言われるように、接遇(接客)やホスピタリティが重視され、美容の治療や医療技術だけに留まらず、医師自らも「患者様=お客様」の意識を持って、患者様へのケアや事前準備、更には集客や営業についても医師が主体的に(売上も)考えて動かなければならない。極端に言えば、これまで保険診療の世界ではヒエラルキートップでVIP的扱いを当たり前に受けていた「医師としてのプライド」はいったん捨て去るくらいの気持ちで臨んだ方が良い世界と言えるだろう。
美容医療の医師に必要なマインドは「病気を治してあげる」ではなく「選ばれて来ていただく」ということを現役の美容医のコメントで耳にすることが多い。
また、患者様(お客様)が本当に悩んでいることは何か、何を求めているのかを引き出すスキル、更には患者様(お客様)の言葉の先にある真のニーズまでを見通せる洞察力や共感力が美容医として成功するための必須スキルとも言われる。
また、別の表現を使うなら、「保険診療はマイナスをゼロの状態に復旧する医療」で、自由診療は「ゼロをプラスに改善する医療」とも言われる。
外見的コンプレックスや悩みを持つ患者さんに美容医療を提供し、悩みやコンプレックスを改善、人生を好転させるお手伝いをすることに喜びとやりがいを感じるという美容領域の医師は多い。
お客様(患者様)のニーズを満たせなければ不満を言われ、ネットに悪い評価を書きこまれる。逆にニーズを満たせば喜んでもらって感謝の言葉が返ってくる。美容医療は結果がダイレクトに跳ね返ってくる世界なのだ。また、集患が非常に大切な人気商売であり、WEBやSNSでの顔出しや情報発信が仕事の一部となることが多く、一度美容医療に足を踏み入れると、もう後戻りはできないとも言われ、ある意味ではつぶしが利かない厳しい世界と言えるかもしれない。
美容医療においても、当然のことながら「安全性」と「有効性」は大前提だ。しかしながら、安全性を軽視している美容クリニックが未だに存在することもまた事実。
「安全性」や「有効性」を本当に最重要視しているクリニックか否か、転職時にはよく確認した方が良いだろう。
形成外科医からの美容皮膚科医、美容外科医・美容内科医への転職
形成外科の手技的バックグラウンドと経験を持つ医師は美容外科の世界へ入っていきやすいと言われている。手術における職人的な技術や経験が美容の世界でも活かせる訳だ。
更に形成外科(形成外科専門医があれば尚可)に加えて、皮膚科・皮膚外科の知識・経験があると美容医としては強い。美容皮膚科は保険診療の枠でやり切れないものを自費診療で行うなど、外見が綺麗になることで患者様(お客様)はとても元気になる、そこに喜びとやりがいを感じる美容医は多いようだ。
美容医の元々の専門科目は、多岐に渡っている。
形成外科や皮膚科の他、乳腺外科、消化器外科、一般外科、泌尿器科、整形外科、脳神経外科、心臓血管外科、産婦人科、麻酔科、救急、眼科、内科系、精神科など様々で、転科してくる美容未経験の医師に説明会や見学会を実施している。
研修教育体制が整っている大手美容クリニックグループでは美容未経験の医師へ門戸を開いている(但し、常勤に限る場合が多い)。
美容外科医の仕事内容としては、美容外科治療の他、他院で受けた美容治療のトラブル修正や手術修正などを行う場合もある(実際に多いらしい。)
また、実は日本ではレーザー機器等で国内承認されているものはとても少ないという(大部分は未承認)。医師の裁量下で施術が許されているため、EBM (evidence-based medicine)を基本としているかどうかはとても重要だ。
(トラブル時には医師の責任の問われ方も大きくなる。)
内科医からの美容内科医への転職
上でも述べたが、美容に興味がある医師が、未経験から入っていきやすい領域として「美容内科」というものがある。常勤の場合は、「美容外科」でも一から研修をする前提で未経験者を受け入れているが、バイト求人(非常勤)では、即戦力とならない未経験者を雇ってくれるところは、さすがに殆ど無く、そんな中、美容内科の募集では、(常勤でも非常勤でも)専門科目不問だ。美容に興味が有って、これから美容の世界に行こうか迷っている人は、まずは美容内科の非常勤から始めてみるのは良い選択かもしれない。
「美容内科」とは身体の内側から健康と美を作るという美容医療で、美容内科も自由診療の領域のひとつだ。栄養学的な治療アプローチが含まれることから、親和性の高い診療科目としては、糖尿病内科、消化器科などは、これまでの経験や知見を活かしやすいと言われている。
仕事内容は、外来(痩身外来など)、問診・投薬指導などだが、まずはお客様(患者様)の悩みやニーズをしっかりと聞き治療方針を見出すためのカウンセリングが重要で、お客様(患者様)との信頼関係を構築できるだけのコミュニケーション能力が求められる。
主な施術としては、下記のようなものがある。
医療直流EMS、医療電磁場EMS、脂肪冷却機器、HIFU、脂肪溶解注射、注入治療、ダイエット漢方、ヒアルロン酸・ボトックスの注入、高濃度ビタミンC点滴など
皮膚科から美容皮膚科医、美容外科医・美容内科医への転職
一般保険診療の皮膚科クリニックが患者ニーズに応える形で美容皮膚科へと診療範囲を拡げるというケースはよくあり、皮膚科から美容皮膚科への転職はハードルが低いと言えるだろう。皮膚科医が美容皮膚に興味を持つ一つの典型例としては、保険治療で治らないものを自由診療の美容皮膚科で治すというパターンだ。皮膚科医が美容皮膚科へ転職する場合、専門医が無くても問題は無いが、皮膚科専門医の他、更にはレーザー専門医、アラガン社認定の注入指導医などもあれば患者さんに対する安心感や集患の面で強みとなるだろう。
美容外科、美容皮膚科、美容内科の違いと仕事内容は?
外科的な手技がある医師は美容外科、外科的な手技が無い皮膚科医は美容皮膚科に進み、外科的手技も皮膚科の手技も無い医師は美容内科というのが無理のない選択ではないだろうか。
外科系からの転科や外科の手技が好きな医師は美容外科に進むケースが多いだろう。
将来に向けてしっかりと学び、研鑽を続ける医師は美容医療の世界で生きていけると思うが、美容ドクターは増加傾向のため、決して楽な世界ではないし、一生懸命やらなければ何らかのトラブルを起こして淘汰されていくという厳しい現実も頭の片隅に置いておこう。実際に淘汰される美容ドクターは少なくない。
美容外科の医師の仕事内容
浮き沈みが激しい美容医療業界。
美容外科の分野を全てカバーしようとすると時間が掛かるが、得意分野に絞って、ある程度までであれば、そこまで時間は掛からずに独り立ちできると言われている。
美容手術で件数が多い項目
1.重瞼術(埋没、切開)美容手術全体の4割以上を占めると言われる
2.スレッドリフト
3.隆鼻術以外の鼻形成
4.上眼瞼形成(しわ取り、下垂など)
5.隆鼻術
6.下眼瞼形成(しわ取り、脱脂など)
7.脂肪吸引
豊胸は何で行われているのか?
1.ヒアルロン酸注入(5割弱)
2.脂肪注入(3割強)
3.インプラント(2割強)
フェイスリフトは?
9割以上がスレッドリフトで、外科的なフェイスリフトは少ない模様。
非外科的治療で件数の多い項目は何か?
1.脱毛
2.ボトックス
3.ヒアルロン酸注射(乳房は除く)
4.しみ・イボ治療(レーザーなど)
5.非手術的痩身
6.光若返り(IPLなど)
今後は、より低侵襲な治療や機械施術がメインになっていくとの見方が強く、
低侵襲で予防的な治療、アンチエイジング治療が更に若年層へと広がっていくと見込まれている。
美容皮膚科の医師の仕事内容
美容皮膚科医の仕事内容は、シミ、シワ、毛穴の開きなど皮膚の美容的治療やアンチエイジング治療のほか、スキンケアの指導なども行う。肌トラブルや肌のコンプレックスに対する美容治療以外にも一般の皮膚疾患(保険適応疾患)に対して(より審美的な美容効果を求めて)非保険適応治療も自由診療で行ったりするのが美容皮膚科医の仕事だ。
レーザー治療やレーザーでは消せないシミや肝斑に対して塗薬、ビタミン注射など体の内側から治療を行う(美容内科と重なる領域)ほか、肌質改善、ニキビ跡治療などに施術されるピーリングなども美容皮膚科医が一般的に行っている仕事だ。
美容皮膚科の主な診療内容
・ボトックス注射
・ヒアルロン酸注射
・ケミカルピーリング(美容皮膚科学会としてガイドラインを作成)
・レーザー脱毛
・レーザー療法
・ニキビ治療
・スキンケア
ピーリングは高いスキルが必要と言われており、また、カウンセリング時に患者さんにダウンタイム期間の過ごし方などデメリット面もきちんと丁寧に分かりやすい言葉で説明しておく必要があり、コミュニケーションスキルや、自分自身も「美」に高い関心を持ち、清潔感とアンチエイジングに気を遣うことも美容皮膚科医の仕事の一部と言えるだろう。
参考まで美容皮膚科の成り立ちや学会についても簡単に見ておこう。
美容皮膚科は、自由診療の美容を目的とした皮膚科の診療分野である。光老化現象に対する治療を支柱としたアンチエイジング(抗老化医学)療法を行うことで、若手を中心とした皮膚科医の関心が高い分野となっている。
「根拠のある美容治療」を目指して日本皮膚科学会内部の研究会が1987年に発足し、2002年に「日本美容皮膚科学会」としての活動を開始。学会の会員数は2021年現在で約2,800名。2008年には「日本皮膚科学会美容皮膚科・レーザー指導専門医」の認定医制度を開始した。受験資格として「皮膚科専門医」が要件となっており、皮膚科医として幅広い皮膚の生理的構造やメカニズム、皮膚疾患に対する幅広い知識を基盤として美容治療に取り組む事を理念として定めている。
美容内科の医師の仕事内容
美容外科や美容皮膚科では手術やレーザーを当てたり、1回あるいは短時間で治療が完了する施術を行うが、それとは対照的に美容内科は時間を掛けてゆっくり通院を重ね、着実に、健康に美しく、キレイになるというコンセプトで行われている内科的美容治療だ。
美容内科では美容注射や美容点滴、ホルモン補充療法、美容漢方、サプリメント療法などで体の内側から体質改善を行う美容治療を行っている。
美容外科、美容皮膚科、美容内科へ転職する為の必要なスキル・経験は?
美容ドクターは増加傾向にあり、初期研修を終えてすぐに美容医療(美容外科、美容皮膚科、美容内科)を目指す医師が増えている。
美容外科医の中には、「形成外科と美容外科は近いようで全くの別物。美容をやりたい医師は回り道をせずに出来るだけ早く美容の世界へ来て一から学んだ方が良い」という意見もあれば、
「形成外科の手技や経験は美容外科医としては「十分条件」ではないが「必要条件」。麻酔管理も含め形成外科で手術の基本や安全性をしっかりと身に着け、最低限「形成外科専門医」を取得してから美容外科へ進むべき」という相反する二つの意見がある。
どちらも一長一短あり、美容の世界では専門医資格はあまり重視されない傾向が見られるが、一般の患者様(お客様)に安心感や信頼感を持ってもらうための、分かりやすい客観的な指標としては、形成外科専門医、皮膚科専門医といった保険診療の世界でも通用する専門医資格は意味があるように個人的には感じる。
いずれにしても、しっかりと美容医療の経験を積んでいかないと淘汰される時代に入ってきているのだ。
最も重要なのは「美容の世界でやっていくんだ」という強い意志と覚悟だろうか。
そして、必要なスキルは、患者様(お客様)としっかりとコミュニケーションが取れる能力。「常勤」転職の場合は、経験は不問(未経験OK)だが、クリニック選択はとても重要になる。どこのクリニックならきちんと教育・研修を受けられ、しっかりと学ぶことができるかということ。
正しい医療技術を身に着けることが美容医療の世界で生きていくには必要不可欠であり、セミナーや見学の機会を利用して、自分自身の目と感性で転職先のクリニックを選んでいくことが重要になるだろう。
美容医療へ転科しても、自らをPRできる特徴や技術を身に着けられなければ、その転職は長い目で見るとあまり良い結果へ繋がらないだろう。特に転科の場合は知識も技術もゼロに等しい状態からのスタートになるため、年収や労働環境などの条件面を最優先にするよりも(それも大事ではあるが、二の次とした方がよい)、数年間は力を付けることに注力して、教育体制・研修環境が整っているか、力をつけられる環境かどうかを重視した転職先選びをした方が良いだろう。
美容外科、美容皮膚科、美容内科の医師の年収は?
自由診療の美容クリニックが常勤医を募集する際の初年度想定年収(目安)
◆美容外科:年収1,600万円~2,700万円程度
(経験、手技、エリアにより大きく変動)
◆美容皮膚科:年収1,200万円~2,600万円程度
(AGAや医療脱毛専門クリニックが高い傾向)
◆美容内科:年収1,000万円~2,600万円程度
(医療痩身専門クリニックが高い傾向)
管理医師(雇われ院長)は更に高年俸となる。開業医は成功すれば収入は青天井となる一方、経営がうまくいかなかったり、トラブルに巻き込まれたり訴訟を抱えるなど失敗するリスクも当然のことながら伴う。
参考まで、
日本美容外科学会(JSAPS)が調査委員会を立ち上げ、日本美容外科学会(JSAS)、日本美容皮膚科学会(JSAD)が協力して2017年に実施した日本国内の「美容医療実態調査」というデータがある。
JSAPS、JSAS、JSADの会員医療機関すべて、さらにこれら3学会の非会員で美容外科もしくは美容皮膚科を標榜している医療機関をリストアップしたものだが、
その総数は、3,656機関だそうだ。都道府県別では東京都が894機関と最も多く約25%を占める。全国最少は島根県で5機関。
美容業界は常勤だけでなく非常勤バイトも不足している?
美容クリニックは独立開業が増加傾向にあり、非常勤バイトを求める医師求人も。
しかし、エリア的には東京などその多くが都市部に集中している。
美容外科や美容皮膚科はなぜ「医師の落ちこぼれ」と揶揄されるのか?
これは現実として、美容医療は「病気を治す医療」や「予防医療」と全く別物で、命を救うことが医者の本来あるべき仕事と世間から考えられており、特に国公立大学医学部は国費(公費)が医師養成に投入されている為、国公立大学医学部出身の医師が美容医療に進むことにはネガティブなイメージを長く持たれた時代があったのは事実だろう。
そういう背景もあり、昔は親が金持ちの私立大学医学部卒の医師が多かったことや、金儲け至上主義のイメージ、グレーな業界体質、トラブルや医療事故、裁判の多さなどネガティブイメージには事欠かなかった。
自費診療に携わる医師の中には、医療事故(死亡事故も)や裁判、金銭トラブルや事件を起こし犯罪者となってメディアを騒がせる美容ドクターの事例が最近も散見され、「金儲け第一」「怪しい」といった印象が世間に根強くあることは否定できない。
最近は、美容医療に対する世間一般のイメージが少しずつ改善してはいるものの、大学病院(大学医局)や保険診療の医師の多くは美容外科や美容医療をあまりいい目で見ていないのは事実だろう(とはいえ、国立大学の形成外科医局で美容外科に力を入れる事例も出てきている)。
一般保険診療の「真面目な」イメージの医師よりも、「不真面目そうな」「チャラチャラした派手なイメージ」「当直も救急もない」美容の医師の方が経済的に恵まれていて、年収が高いというのも、保険診療の医師から見ると面白くない現実で、せめて、「美容」は別の世界として「アンチ美容医」「医師の落ちこぼれ」と揶揄するということなのだろう。
美容外科、美容皮膚科、美容内科への転職は紹介会社を利用する方が良い?
美容医療と一口に言っても、美容形成、美容整形、美容皮膚科、豊胸、脂肪吸引、更には再生医療や幹細胞治療、アンチエイジング、美容内科など、カバー領域はますます拡大している。自分で医師求人案件を探すのが大変な時は、医師紹介会社、転職エージェントが持つ求人案件を紹介してもらうのもひとつの手段だ。転職エージェントだからこそ知っている情報があるかもしれない。
東京、横浜、さいたま、千葉など首都圏の美容外科は転科希望者、転職希望者が増えたため、未経験者は自己応募のみ受け付けるという美容クリニックもあるが、
転職活動にはエージェントも上手に併用してみてはいかがだろうか。
著者:三木正孝
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