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2016/01/23
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TOSHIBAというロゴはCTやMRI、超音波装置など医療用画像診断装置で医師の方々には馴染みが深いブランドであるが、その東芝(東芝本社)は現在、不正会計問題に端を発し経営再建の只中にあり、組織の合理化が待った無しの状況に置かれている。
そんな中、東芝は成長分野であり虎の子とも言える医療機器分野(ヘルスケア事業)の子会社株式(東芝メディカルシステムズ)の50%超を売却する方針を固めた。 これにより東芝メディカルシステムズは東芝の子会社ではなくなる訳であるが、この優良事業の獲得を巡っては数千億円規模で日立やソニー、富士フィルムホールディングスなどが買収を検討していると報じられている。
ちなみに東芝の医療用画像診断装置事業は世界第4位の事業規模であり、医療用画像診断装置の分野で似通った事業構成を持つ日立が仮に東芝メディカルシステムズを買収したとすると、その事業シェアはCTで世界1位、超音波でも世界第2位の規模となる。 富士フィルムの場合は、医療分野では既に超音波の分野に参入(2011年に携帯型超音波診断装置の大手企業、米国SonoSite.Inc.を買収)しており、更なる医療事業の強化を図っていると言われている。 また、ソニーは自社の強みであるイメージセンサーをCTやMRIに搭載する事が可能となり、更に東芝が持つ顧客基盤(病院や医師)に直接リーチ出来るといった各社それぞれの狙い(シナジー効果)が今回の買収を通して見え隠れする。
一方、より大掛かりな装置を必要とする医療分野(重粒子線の技術など)は引き続き東芝本体に残して事業を継続するという方針らしい。
東芝本体と放医研は放射線の一種である重粒子線を活用した新型のがん治療装置を共同開発し、「世界の研究者から殆どできないだろうと言われていた技術」をこのほど確立したと発表した。
重粒子線はがん細胞を壊す力が強く、狙った患部に集中して照射する事でがん細胞をピンポイントで壊す事ができ、患者の身体への負担も少ないと言われている。 しかし、従来の重粒子線治療装置は搭載する電磁石が大きく、ガントリー全体が大型化(炭素線は陽子線の約3倍曲がりにくいとの事)してしまう為、全長25m、回転部の重量は600トンにも及ぶ大型の装置が必要で、これまでは普及が困難であった。 これを東芝が持つ原子力事業の技術を応用し、今回、小型化に成功したという事らしい。
いずれにしても、CTやレントゲンなど放射線画像診断装置の他、MRIなどは検査機器として医師の方々には大変馴染み深く、今や診断において不可欠なものである。 これら医療機器の充実度合いは医師が転職を考えるにあたり、医療施設(病院やクリニック)を選ぶ際に重要なチェックポイントの一つとなっている項目である。
以前(2007年~2011年)には内視鏡分野で圧倒的No.1(現在も)であったオリンパスが巨額粉飾事件で世間を騒がせた。消化器内科や消化器外科の医師の方々には記憶に新しい事だろう。
大手企業といえども経営の舵取りを誤り、軌道修正をせずにそのままズルズル進んでしまうと、それが表面化した時には一気に経営危機に陥ったり、優良事業の売却を余儀なくされたりといった事態に追い込まれるのである。病院経営においてもそれは同様であろう。 やはり組織は人なりで、病院の場合は医師ひとりで(良くも悪くも)大きく変容する可能性(や危険性)があるという事を時折、実例で目にする事がある。
今日取り上げた東芝のケースでは、CTやMRIのブランド名がTOSHIBAでなくなり、医師の元へ訪れる営業担当者の名刺も違う社名に変わっているかもしれない。
REGZAブランドで知られる東芝の液晶テレビは気の利いた機能を備えた玄人好みの良い製品が多く、個人的には好きなブランドである。 家電事業は既にコモディティ化しており製品の価格下落が激しく、なかなか儲からない事業分野になってしまっているが、東芝のものづくりには良いイメージを持っているので、医療分野では是非、患者や医療現場の医師の方々、技師の方々など関係する人々から愛される東芝の復活を応援したい。
以上、本日のコラムではあまり医師転職や医師求人募集とは関連の無い話題を取り上げましたが、我々「医師転職コンシェルジュ」には、今春入職していただける先生を求めてまだまだ医師求人ニーズが旺盛な医療機関様からの医師募集案件が多数寄せられています。 今春、或いは今秋、1年後など時期は未定でも転職や帰郷、Uターン転職などをお考えの医師の方々は、些細なお問い合わせやご相談も大歓迎です。 医師転職コンシェルジュへどうぞお気軽にお問い合わせください。 転職をお考えの医師の方はこちらの医師登録からお願い致します。
著者:三木正孝
医師転職コンシェルジュ代表。医師の方が自分らしい働き方、ライフスタイルを過ごす事が出来る様な転職支援を行う医師転職コンシェルジュを運営しております。医療業界や医師転職に関する情報に独自の意見も加えて発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。
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