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2015/03/22
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沖縄本島の本部港(もとぶこう)からフェリーで30分。伊江島(いえじま)が近付いてきた。 この海域は運が良ければ鯨に出会えるそうだが、今回は遊びに来た訳ではないのでホエールウォッチングはまたの楽しみに取っておく事とする。
伊江島の玄関口、フェリーターミナルに到着すると、笑顔で出迎える人達の姿があちらこちらに。青い空、青い海とあいまって人々の明るい笑顔はまさに南国特有の雰囲気である。 そして、私達を出迎えてくれたのは伊江村福祉保健課の亀里さん。電話で話した印象通りの温かい人柄がすぐに伝わってきた。診療所の車でフェリーターミナルから2~3分の伊江村立診療所に向かうのかと思いきや、診療所の前を素通りして、診療所の30m程先にある村役場へと直行した。伊江村立診療所は村立ゆえ、先ずは村長さんにご挨拶を、という訳である。 村長さんと言ってもそんじょそこらの小さい村ではない。人口5,000人あまりの伊江島の行政の長であり、恰幅の良さと威厳を感じさせる風貌の村長さんである。しかし、話し始めると島袋村長も気さくなお人柄で温かい。「先生、是非ともお力をお貸しください。伊江島においで下さい。」とにこやかな笑顔である。
伊江島は沖縄の離島であり、白砂の美しいビーチを擁するリゾートアイランドとしての一面がある一方、太平洋戦争末期の沖縄戦では大変な激戦地となった島でもある。現在も島の西部には米軍施設(伊江島補助飛行場)が存在している。但し、補助飛行場ゆえ常駐機は無く、伊江島の人に話を聞くと普段は殆ど気にならないとの事である。
伊江島には米軍施設受入に伴う基地交付金があり、他の産業収入(観光やサトウキビ、ハイビスカス、タバコ生産、修学旅行生の民泊受入れなど)に、これがプラスされる形となり財政的には豊かな村となっている。 当たり前の事であるが、この島の「今」は過去から繋がっているのだという歴史をしっかりと認識しておく必要性を感じた。 こういった財政的な裏付けもあり、この島で働く医師にとっては、働きやすい環境と高待遇が用意されているのである。
訪問時点の伊江村立診療所の常勤医師は2名のみ。 そこで今回、常勤医を1名増員して3名体制にして、医師ひとりひとりの負担を軽減したいというのが医師募集の背景である。
診療所長は離島医療や救急医療の経験が豊富な阿部先生、56歳。頼りがいがあって懐の深そうな先生ですっかり伊江島の人たちに溶け込んでおられる。 また、今回の訪問時にはお会いできなかったが、もう一人の先生も沖縄本島と伊江島を行き来しておられる離島医療の経験豊富な40歳代の男性医師。
伊江村立診療所は土日祝はお休みだが島唯一の医療機関である為、急患は24時間365日対応(オンコール当番の医師が対応)。対応困難な重傷患者は沖縄本島へ搬送しており、日中はフェリー、あるいはドクターヘリMESHで、夜間は地元・伊江島の漁船で搬送している。現在新しい搬送専用船を建造中で更に環境はよくなる由。やはり財政面で豊かである事を感じさせる話しである。
ここで今回の医師募集の条件面を少しご紹介しておこう。 年俸は上限3,000万円程度(諸手当込み)まで可能。 (参考)年齢35歳から55歳 年収1,600万円~3,000万円(所得税込) ・伊江村給与等の条例規定に基づく ・給与、期末手当(年2回) ・その他手当(特殊勤務手当、研究費、土日祝祭日オンコール手当、オンコール手当源泉徴収税助成、扶養手当、児童手当、急患搬送手当等)
詳しい勤務内容については次回コラムにて。
著者:三木正孝
医師転職コンシェルジュ代表。医師の方が自分らしい働き方、ライフスタイルを過ごす事が出来る様な転職支援を行う医師転職コンシェルジュを運営しております。医療業界や医師転職に関する情報に独自の意見も加えて発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。
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