menu
2016/08/01
Contents
静岡県の医師需給状況を俯瞰するシリーズの2回目。 2次医療圏ごとに主要病院や医師の求人ニーズなどのアウトラインを確認していく主旨で前回は静岡市を中心とする「静岡医療圏」の概況をコラムでお届けした。
2回目の今回は、静岡県西部の中心都市・浜松市と湖西市の2市で構成される「西部医療圏」を見ていこう。
「西部医療圏」の圏域内には浜松医科大学医学部附属病院、浜松医療センター、聖隷浜松病院、聖隷三方原病院という4つの大規模病院がある。
それに続くのが浜松労災病院、浜松赤十字病院、JA静岡厚生連遠州病院の3病院。 これら7病院を中核・基幹病院として、この西部医療圏は静岡県で最も医師が多く集まる2次医療圏となっており、医師需給において最も充実したエリア(医師が多く、どちらかというと病院側の買い手市場の様相)となっている。
しかし、浜松市中心部から離れると北遠地域(浜松市天竜区、人口3万人程度)、引佐(いなさ)地域(浜松市北区)、湖西(こさい)地域などは医療機関が少なく、産科や2次救急、3次救急が手薄で、隣接する愛知県の医療機関を利用する患者が少なくない状況となっている。
これら地域はいずれも2005年に浜松市に編入合併された経緯がある。 北遠地域とは天竜市、春野町、佐久間町、水窪町、龍山村の旧北遠5市町村から成り、現在は浜松市天竜区となっている。北には長野県、西には愛知県、そして南は浜松市北区引佐地区、浜松市浜北区とそれぞれ隣接しているエリアである。
そして特筆すべきはその広大な面積で浜松市全体の約6割を占め、日本の政令指定都市の行政区の中で静岡市葵区に次ぐ第2位の広さとなっている。そしてその大部分が森林地帯で林業が主産業であり過疎化が進む人口密度の低い地域となっている。
天竜区の中核病院としては国立病院機構天竜病院が挙げられる。 この地域出身の著名人としてホンダ創業者の本田宗一郎やプロ野球巨人軍の元エース・江川卓(中学2年まで佐久間中学校、天竜川で石投げをして肩を鍛えていたらしい)などがいると言えば少しは身近に感じられるだろうか。
引佐(いなさ)地域は旧・引佐町(いなさちょう)が浜松市に編入合併され現在は浜松市北区になっている地域で、浜名湖の北に位置し愛知県新城(しんしろ)市などと隣接している。 現在は新東名高速道路が東西に通っている。
湖西(こさい)地域は浜名湖の西側、静岡県の最西部に位置し西隣は愛知県豊橋市となっている。ヤマハマリーナやスズキマリーナなど地元企業(共に本社は浜松市)運営のマリーナがあり、浜名湖沿岸でのジェットスキー(※ジェットスキーはKawasakiの登録商標)などの水上バイク、クルージング、釣り等のマリンスポーツや湖西連峰のハイキング等が盛んな観光地でもある。 湖西地域の2次救急を補完する病院としては湖西市立湖西病院、医療法人浜名会浜名病院がある。
以上の通り、静岡県「西部医療圏」は静岡県で唯一の医学部・浜松医科大学医学部附属病院をはじめとした専門性の高い医療機関が整備されており、圏域全体としては静岡県で最も医療資源が整備された地域となってはいるが、救急医療など様々な医療需要の高まりを受け、医師の絶対数としては必ずしも充足しているとは言えない。
基幹病院の多くは大学医局からの医師派遣を受けており、この地域での転職を考える医師の方はその辺りの勢力図も念頭に置いで動いた方が良いだろう。
愛知県東部からも通勤可能であり、この地域での勤務を希望する医師の方は是非ご相談をいただきたい。
医師転職コンシェルジュへのご相談・ご質問はこちら
次回以降も、静岡県の他の2次医療圏の医師需給の状況を見ていく事としたい。
静岡県の医師転職マーケットについてはこちら 静岡県の求人情報についてはこちら
著者:三木正孝
医師転職コンシェルジュ代表。医師の方が自分らしい働き方、ライフスタイルを過ごす事が出来る様な転職支援を行う医師転職コンシェルジュを運営しております。医療業界や医師転職に関する情報に独自の意見も加えて発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。
< 前の記事 |お知らせ・コラム一覧へ戻る| 次の記事 >
2017/05/10
2017/04/07
2017/02/28