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ドバイで働きたいという医師はいますか?(その3)

ドバイで働きたいという医師はいますか?

前回前々回に続きドバイの話題を続けよう。ドバイで医師転職を考えていて医師求人募集情報を探そうと考えている医師の方はドバイの生活や文化について参考にして頂きたい。 ドバイの殆どの病院では英語での会話が可能との事でアラビア語は必ずしも必要な訳では無いようである。今回の日本人医師求人募集案件は恐らく日本人患者を主な対象としたクリニックなので英語を使う場面も殆ど無く、日本語で通常業務はこなせると思われる。 ドバイのクリニックに来る日本人患者というのは現地在住の日本人、日本人駐在員やその家族、出張や観光などでドバイに来ている日本人といった層である。 外務省のホームページに医療に関するアラビア語が少し紹介されているので、ここに再掲させていただく(無理やりカタカナ表記しているので発音はあくまで参考程度にとの事。) 現地語も少し知っているだけでいざという時に何かの役に立つかもしれない。 医師:タビーブ、薬:ドワ、注射:オブラ、下痢:イスハール、発熱:ハラーラ、嘔気:樽ジーア、嘔吐:ゾゥワ、傷:ジュルハン、頭が痛い:ラーシィ・ヤウールニ、腹が痛い: ボトニ・ヤウールニ、具合が悪い:アナ・ターバーン(男性の場合)アナ・ターバーナ(女性の場合)、病院へ連れて行ってほしい:ワッドニ・イラ・ムスタシュファ 在アラブ首長国連邦日本国大使館ホームページ

https://www.uae.emb-japan.go.jp/index_j.htm

なお、在アラブ首長国連邦(UAE)日本国大使館はドバイでは無くアブダビ(Abu Dhabi)にあり、ドバイには日本国総領事館が置かれている。 アブダビはドバイと同じようにUAEを構成する7首長国のひとつで連邦(アラブ首長国連邦)の首都でもある。大使館は通常、その国の首都に置かれ、領事館は首都以外の主要都市で在留邦人の保護や外交事務、情報収集、国際交流などを行っている。 連邦制は日本にいると少しイメージしにくいが、アメリカを例に考えると解りやすいかもしれない。アメリカ合衆国も連邦制の国で、それぞれの州が州独自の法律(州法)に基づきかなり強い独立性を持っており、日本の都道府県のような地方公共団体とはその成り立ちも趣も異なるものである。アメリカの南北戦争(1861年~1865年)は奴隷制を維持したい南部の11州がアメリカ合衆国という連邦政府からの独立を目指して(アメリカ連合国を名乗り)北部の23州と争った内戦(The Civil War)である。映画「風と共に去りぬ」でお馴染みだろう。 ちなみに南北戦争と同じ頃、日本は幕末の動乱期で長州や薩摩などの雄藩や坂本龍馬などの脱藩志士たちが倒幕に動いていた時期である。 少々話しが逸れたが、このようにアメリカもUAEも外交的には連邦国家として一つの国を形成しているのである。 まあ、一般的にはドバイはUAEを代表する国際都市であるが、UAEの首都はアブダビであり、日本国大使館はそこに置かれているというくらいの認識でいれば大きな間違いは無いと思う。 ドバイとアブダビの2都市はニューヨークとワシントンDC(アメリカ合衆国の首都)の関係にやや近いだろうか。 なお、UAEの医療を司る保健省(日本の厚生労働省のようなもの)の下には保健庁があり、これはアブダビとドバイの2箇所に設置されている。 ドバイの在留邦人(日本人)は3,000人程度、UAE全体では3,459人(2013年10月時点)の日本人が在留していると言われており、日本人の多くはドバイにおり、それ以外は殆どが首都アブダビにいるものと思われる。この数字からもドバイがUAEにおいては一般の日本人に最も馴染み深い街という事が言えよう。結構な数の日本人がドバイにいるのだなあと思うと共に、これだけの日本人がいれば当然日本人医師に対する需要、医師求人募集のニーズが出てくるのも納得である。 現地では日本の事は“ヤバーン”、日本人は”ヤバーニー”というらしい。ジャパーン、ジャパーニーズの現地訛りだろうか。一般的にはドバイの人々はとても親日的と言われている。 Japan QualityのMade in Japan製品(車や家電製品)、日本人の勤勉さ、礼儀正しさなどが高く評価されているのだろう。日本が戦後復興を経て先進国の仲間入りを果たし発展する過程で、他の欧米諸国とは一線を画した立ち位置から外交官やビジネスマンなど多くの先人達がこのUAEという国や現地の人々と誠実に付き合ってきたお蔭で今の日本に対する好意的なイメージが出来上がっているという事に我々は感謝しなければならないだろう。 ヤバーン、ヤバーニーの一言でこちらが日本人と分かれば、強面のドバイ人が一気に笑顔で迎えてくれるという事が本当にあるらしい。 さて、UAEの輸出相手国のトップは日本である。日本がUAEから輸入している主な品目は石油、液化天然ガス(LNG)、アルミニウムなどで、東日本大震災後の原発停止に伴い依存度が上がっている火力発電のエネルギー源はこのUAEからも輸入されているのである。 一方、輸入相手国を見てみると上位はインド、中国、米国、ドイツとなっており日本はこれらの国の後塵を拝している。 例えば車であれば、やはりドイツのプレミアムブランド(メルセデス、BMW、ポルシェ、アウディなど)が現地富裕層のシェアをがっちり握っており、それを日本のレクサスなどが後発ながら追いかけるといった感じであろうか。しかし、ドバイといっても金持ちばかりという訳ではなく前々回のコラムでも紹介したが、日本の中古バイクや中古ママチャリ(自転車)が庶民の足として大活躍しているという一面もあるというのが面白い。 長くなったので今日はこの辺りにして続きはまた次回以降にしたいと思う。 ドバイでの海外勤務にご興味がある医師の方は、本サイトの医師登録からご登録下さい。 海外医師求人募集についてはコチラ

ドバイで働きたいという医師はいますか?(その2)

ドバイで働きたいという医師はいますか?

前回に続きドバイの話題である。
今日はドバイの衛生・医療事情についても少しずつ見ていこう。

まず、ドバイ(UAE)の気候であるが、10月~3月にかけてが比較的過ごしやすい時期と言われている。それでも40℃を超える日もあるらしい。更に4月~9月の日中は50℃にもなる事があり、湿度も90%前後と厳しい気候と言える。

次に水や食品、衛生環境であるが、都市部の水道水は海水を脱塩処理し蒸留水を精製、それを殺菌処理し各家庭へ供給、理論上は無菌との事であるが、パイプや貯水槽から鉄錆や微生物が混入する事もあり得る為、水道水は直接飲まない方が無難との事。
ドバイの街は衛生的には清潔に保たれており、特に注意を要するような風土病は見られないようである。

続いて、医療水準であるが、まず医療機関は国立病院と私立病院に大別される。国立病院は外国人に対する受診制限が一部あり、緊急搬送されるような場合を除くと、一般的には日本人を含む外国人は私立病院やクリニックを受診するようである。
救急車は一応整備されているとはいうもののスムースに機能していないとも言われており、自家用車やタクシーを使って病院へ行くのが一般的な模様。
また、ホテルには常設のクリニックや提携病院、或いは顧問医師を有している場合もあり、
ドバイ国際空港には24時間開院している空港クリニックがあるとの事。

医療水準は、一般的な呼吸器感染症(風邪)や消化器感染症(急性胃腸炎)のような軽症例や中等度までの疾病や外傷の診療はドバイでも可能であるが、精密検査や悪性腫瘍手術、複雑外傷などのケースは、日本と同等の医療水準を期待する事は難しく、そういった場合は日本への帰国を考慮すべきというのが外務省の見解である。
なお、輸血については一応先進国同様に照射処理が施されているとの事。

医療費の支払いは日本のように国民皆保険制度が無く、外国人が長期滞在する場合は民間保険会社の医療保険加入が義務付けられている。旅行者は全額自己負担であり、海外旅行傷害保険に入っていて後日還付を受けるにしても一旦は全額支払う必要があり、かなり高額になるケースもあるので現金の持ち合わせが無い場合はクレジットカードでの支払となるケースもあるようである。

薬は院内の薬局もあるが、院外薬局も多く、ショッピングモールや繁華街に多数存在するようである。

なお、ドバイの通貨はディルハム(DhやAEDと表記される)であり、USドルとのペッグ制(連動相場制)を採用している。日本に近いところでは香港ドルもUSドルとのペッグ制を採用している通貨として有名である。
ドバイではUSドルも流通しているようであるが、やはり現地ではディルハムは必要であろう。日本でディルハムに両替できる場所は限られており両替手数料も高い為、USドルを持って行って現地でUSドルからディルハムに両替するのが良いかもしれない。
現地では日本円はマイナー通貨であり交換レートも(USドルと比較して)不利になる事が予想される。やはり世界の基軸通貨はUSドルなのである。

色々書き始めると旅行ガイドのようになってしまいそうなので、今日はそろそろこの辺りにして、また次回以降にドバイの医療事情や日本人医師の状況(日本人医師の求人募集状況)なども見て行きたいと思う。

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ドバイで働きたいという医師はいますか?

ドバイで働きたいという医師はいますか?

今日はこれまた偶々入ってきた話しであるが、海外で日本人医師を求めているという医師求人募集案件について少しご紹介しようと思う。

日本の医師免許を持っていて日本語を不自由なく使える医師であれば恐らく国籍は不問と思われる。
今回の医師求人募集案件の場所はドバイ(Dubai)。
名前くらいは聞いた事があるけれども、あまり馴染みが無く、稀に観光などで訪れた事がある人がいるかもしれないが、殆どの日本人にとってドバイは遠い中東の国?都市?といった感じであろうか。

ドバイはUAE(アラブ首長国連邦United Arab Emirates)を構成する7首長国のひとつであるドバイ首長国の首都である。
アラビア半島のペルシャ湾沿岸に位置する中東屈指の国際都市であり金融センターとしても近年急発展を遂げている街である。
地理的にはペルシャ湾の入り口ホルムズ海峡にも近い。
人口は210万人程を擁する大都市である。イメージし易いように人口規模で日本の都市と比較すると人口第4位の名古屋市(226万人程)、第5位の札幌市(190万人程)辺りと同じような人口規模である。ちなみに国内の人口第3位は大阪市(267万人程)、第2位は横浜市(369万人程)、第1位は東京23区である。東京は895万人と突出している。

世界一ののっぽビルはこのドバイにある。ブルジュ・ハリファという名のその超高層ビル(全高828m、160階建て)は2010年に完成し、ドバイの繁栄を象徴するものの一つとなっている。
ちなみに人工の建造物として高さ世界第2位は東京スカイツリー(全高634m、タワーとしては高さ世界一)である。

ブルジュ・ハリファの他にもブルジュ・アル・アラブホテルやパーム・ジュメイラ(ヤシの木のような形をした人工島)といった超高級リゾートでも世界中の注目を集めているのがドバイである。
※ブルジュというのは塔=タワーを意味するアラビア語

建設ラッシュに沸くドバイは金持ちのリゾートエリアという一面と、出稼ぎ労働者(インド人が5割以上、以下パキスタン人、バングラデシュ人、フィリピン人、スリランカ人など)が人口の約8割を占める街という一面を併せ持っている。
本家のアラブ系は人口2割に満たないというのがドバイの真の姿である。

公用語はアラビア語であるが、ビジネスでは主に英語が共通言語として使われている。
外国人出稼ぎ労働者の多くはアラビア語を解せず、各々の母国語であるヒンディー語(インド人)、ウルドゥー語(パキスタン人)、タガログ語(フィリピン人)など多用な言語が飛び交う国際都市というのがドバイという街である。
日本から輸出された中古のママチャリ(自転車)が庶民の日常の足として最近ドバイの街でよく見られるらしい。意外に日本とは関係の深い街なのである。

ドバイ首長国が属するUAE(アラブ首長国連邦)の国教はイスラム教であるが、イスラム教徒以外の外国人が多く居住するドバイはイスラム色があまり強くないらしく、宗教的な制約もあまり無いようである。
例えば、飲酒。イスラム教では通常飲酒は禁じられているが許可されたホテルやレストランでは問題が無くお酒も楽しめるとの事。
競馬のドバイワールドカップもその名の通りここドバイで開催されている。

ドバイには日本人学校もあり、街全体もセキュリティがよく行き届いており、治安は大変良いと言われている。
ショッピングモール、フードコートやハンバーガーショップなどもある。
今のように急発展する以前からドバイは商社マンなどにとっては駐在員として、或いは海外出張などで訪れる機会が多い中東の窓口的な位置付けの都市であり、比較的馴染みがあるエリアとも言える。
なお、日本の都市では大阪がドバイと姉妹都市の関係となっている。
中東はオイルマネーのイメージがあるが、ドバイの産業基盤としては観光、貿易、金融などが中心となっている。

Airline of the yearなど数々の賞を受賞して機内サービスも評価が高いエミレーツ航空はドバイを拠点とするエアラインである。
日本⇔ドバイは10時間程の距離でありヨーロッパよりも地理的な距離は近い(東京・ドバイ間は約8,000km)。

少し長くなったので今日はこの辺りにして、続きは次回以降にドバイの医療事情なども含め見て行きたいと思う。

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遠隔画像診断における放射線専門医の働き方について考察

遠隔画像診断における放射線専門医の働き方について考察

今回のコラムでは遠隔画像診断について少し見ていきたい。
放射線科(放射線診断)の医師にとっては働き方の選択肢が広がるという意味で今後の動向をwatchしていきたい分野のひとつであろう。

当サイトの、放射線科・画像診断の医師転職市場についても参考にして頂きたい。

インターネットやクラウドサービスの普及により、CTやMRI、PETなど放射線科領域の画像診断、読影業務は今や遠隔地(例えば自宅)に居ながら行う事も可能な時代になった。

CTやMRIを備えていても肝心の読影を行う放射線科医(常勤医)がいない医療機関は少なくない。或いは、より画像診断スキルの高い放射線診断専門医にしっかりと読影をしてもらいたいというニーズを持った医療機関もあろう。

現在(2015年2月1日時点)の放射線科専門医は6,159名(放射線治療専門医1,042名を含む)。
かたや、病院数はと言うと日本全国に8,500余りもあり、クリニックや健診機関を含めると放射線科専門医の数よりも遥かに施設数の方が多いというのが実情である。

更に放射線科専門医の都市部への偏在傾向も考慮すると、放射線科医の不足傾向は当面続くものと考えるのが妥当で、やはり遠隔画像診断の可能性(というよりも必要性と言う方がしっくりくるかもしれない)については、多くの医療機関において真剣に検討しておく必要があるのではないだろうか。

CTなどの医療機器を備える事は出来ても、放射線科の医師を確保する事はなかなか難しいという事がこの数字からも見えてくる。

因みに、モダリティ(modality)という言葉がある。
CTやMRI、エコーなどの医療用画像診断装置の総称として使われている言葉だが、DICOM(ダイコム)ファイルを生成するこれらモダリティ装置の種類はアルファベット2文字で定義するのが医療機器の開発現場において慣例となっているらしい。
これが医療現場でも一般化し(CTは元々2文字であるが)、MRIの事をMRと2文字に省略して使う事が多くなってきたのはそういう背景があるようである。

製薬会社の営業担当者もMR(Medical Representatives)である。略称は便利なようで少々ややこしい。会話の前後の文脈から同じMRでもどちらを指しているのか判るが、双方に正確な知識がない場合や素人(患者さんなど)に対しては、こういう業界特有の略称というものを安易に使ってしまうと混乱を招きかねない。

少し脱線したが話を戻そう。
さて、遠隔画像診断業務であるが、常勤の放射線科専門医を確保する事が難しい医療機関にとっては、最早無くてはならない分野である。

放射線科領域ではDICという言葉もよく耳にする。
DICはDiagnostic Imaging Center、つまり画像診断センターを意味しており、大病院はたいてい画像診断装置を備え、放射線科があるのでDIC機能を有していると言える。
また最近は放射線科クリニックなど地域において画像診断を専門に担うところも増えており、それ以外にもDIC業務(画像診断業務)を専門に扱う企業なども出てきている。

また、SMO(Site Management Organization)という業界も拡大している。
これは医療機関が製薬企業などから臨床試験(治験)を受託し、その業務の一部を外注するケースがあるが、その外注先(治験施設=病院を支援する機関)の事をSMOと呼んでいる。
このSMO施設においても読影業務は発生するのである。

現在の医療現場では臨床診断において画像診断というステップは必須のものとなっている。

そして、下記の3つの必要条件が揃えば、
場所を選ばずに画像診断業務ができる環境が整ってきたのが今という時代なのである。

・モダリティ装置(CT、MRなど)で撮影した画像データ
・読影を担う放射線科専門医(遠隔地でOK!)
・インターネット環境

子育て中や介護など様々な事情により常勤勤務が難しい医師にとって遠隔画像診断という分野は、時間に縛られる事無く、放射線科専門医としての読影スキル、画像診断スキルを活かす事が出来る魅力的な働き方のひとつと言えるだろう。

医師転職コンシェルジュでは、提携先の医療機関やDIC施設などと連携し、放射線科専門医の柔軟な働き方を応援し、読影業務の安定的確保やアルバイトの紹介、転職支援など様々なお手伝いをオーダーメイド対応させていただきます。

勿論、常勤で放射線科医(放射線診断医、放射線治療医)を求める案件も多数寄せられていますので、放射線科医で様々な働き方を模索している先生のニーズにもお応え致します。
放射線科医の先生からのお問い合わせをお待ちしております。

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