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2015/08/08
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前回に続きドバイの話題である。 今日はドバイの衛生・医療事情についても少しずつ見ていこう。
まず、ドバイ(UAE)の気候であるが、10月~3月にかけてが比較的過ごしやすい時期と言われている。それでも40℃を超える日もあるらしい。更に4月~9月の日中は50℃にもなる事があり、湿度も90%前後と厳しい気候と言える。
次に水や食品、衛生環境であるが、都市部の水道水は海水を脱塩処理し蒸留水を精製、それを殺菌処理し各家庭へ供給、理論上は無菌との事であるが、パイプや貯水槽から鉄錆や微生物が混入する事もあり得る為、水道水は直接飲まない方が無難との事。 ドバイの街は衛生的には清潔に保たれており、特に注意を要するような風土病は見られないようである。
続いて、医療水準であるが、まず医療機関は国立病院と私立病院に大別される。国立病院は外国人に対する受診制限が一部あり、緊急搬送されるような場合を除くと、一般的には日本人を含む外国人は私立病院やクリニックを受診するようである。 救急車は一応整備されているとはいうもののスムースに機能していないとも言われており、自家用車やタクシーを使って病院へ行くのが一般的な模様。 また、ホテルには常設のクリニックや提携病院、或いは顧問医師を有している場合もあり、 ドバイ国際空港には24時間開院している空港クリニックがあるとの事。
医療水準は、一般的な呼吸器感染症(風邪)や消化器感染症(急性胃腸炎)のような軽症例や中等度までの疾病や外傷の診療はドバイでも可能であるが、精密検査や悪性腫瘍手術、複雑外傷などのケースは、日本と同等の医療水準を期待する事は難しく、そういった場合は日本への帰国を考慮すべきというのが外務省の見解である。 なお、輸血については一応先進国同様に照射処理が施されているとの事。
医療費の支払いは日本のように国民皆保険制度が無く、外国人が長期滞在する場合は民間保険会社の医療保険加入が義務付けられている。旅行者は全額自己負担であり、海外旅行傷害保険に入っていて後日還付を受けるにしても一旦は全額支払う必要があり、かなり高額になるケースもあるので現金の持ち合わせが無い場合はクレジットカードでの支払となるケースもあるようである。
薬は院内の薬局もあるが、院外薬局も多く、ショッピングモールや繁華街に多数存在するようである。
なお、ドバイの通貨はディルハム(DhやAEDと表記される)であり、USドルとのペッグ制(連動相場制)を採用している。日本に近いところでは香港ドルもUSドルとのペッグ制を採用している通貨として有名である。 ドバイではUSドルも流通しているようであるが、やはり現地ではディルハムは必要であろう。日本でディルハムに両替できる場所は限られており両替手数料も高い為、USドルを持って行って現地でUSドルからディルハムに両替するのが良いかもしれない。 現地では日本円はマイナー通貨であり交換レートも(USドルと比較して)不利になる事が予想される。やはり世界の基軸通貨はUSドルなのである。
色々書き始めると旅行ガイドのようになってしまいそうなので、今日はそろそろこの辺りにして、また次回以降にドバイの医療事情や日本人医師の状況(日本人医師の求人募集状況)なども見て行きたいと思う。
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著者:三木正孝
医師転職コンシェルジュ代表。医師の方が自分らしい働き方、ライフスタイルを過ごす事が出来る様な転職支援を行う医師転職コンシェルジュを運営しております。医療業界や医師転職に関する情報に独自の意見も加えて発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。
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