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2018/03/13
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先ず初めに医師数の全体像を確認しておこう。
日本の医師総数は319,480人となっている。
(※厚生労働省2018年3月の公表統計データより)
この数字は2年前の前回調査時から医師数が8,274人増加している事を示しており、統計上、医師は毎年4,000人以上の純増という事になる。
次に、医療施設に勤務する医師を、
診療科目別(主たる診療科名)に医師数(医療施設勤務の医師数)が多い順に見ていくと、
「内科医」(一般内科)が60,855人で全体の20%を占め最多。
「一般内科医」に続いて「内科系医師」を総数の多い順に列挙すると、
「消化器内科医」4.7%、「循環器内科医」4.1%、「呼吸器内科医」2.0%、「神経内科医」1.6%、「糖尿病内科(代謝内科)医」1.6%、「血液内科医」0.9%、「リウマチ科医」0.5%、「感染症内科医」0.2%、「アレルギー科医」0.1%と続く。
「内科系医師」を合計すると「医療施設に勤務する医師数全体」の35.7%を占める。
参考まで、「一般内科医」の次に医師数が多いのは、「整形外科医」7.0%、「臨床研修医」5.5%、「小児科医」5.6%(ちょっと意外な印象・・・)、「精神科医」5.1%、「外科医」4.7%(数年前から激減・・・)と続く。
更に、「消化器内科医」4.7%、「眼科医」4.3%、「循環器内科医」4.1%、「産婦人科医」3.6%、「麻酔科医」3.0%、「皮膚科医」3.0%・・・と続く。
診療科目の構成割合を男女別に見ると、
「男性医師」は「内科」が最も多く、「外科」、「整形外科」がそれに続く。
「女性医師」も「内科」が最多で、「小児科」、「眼科、「皮膚科」、「研修医」がそれに続く人数となっている。男女ともに「内科医」(一般内科・総合内科)の数が最も多いのである。
この数字が示している通り「内科」は医師の中でもメジャー科目として「外科」と並び称される位置付けであるのは今も昔も変わらない。
この数字は医師転職市場においても、ほぼそのまま当てはまる。つまり、「内科医師」の求人募集は全診療科の中で最も多く、医療現場から医師募集の需要が常にあるのが内科医師という事になる。
一般内科は、幅広い疾患に対し総合的に(Generalに)診療できるスキルが求められる。
「広く浅く」診療できるオールラウンダー内科医という言葉が当てはまるかと思う。
どの専門診療科を受診するべきか分からない患者さんの初診を担い、各専門診療科や専門施設に紹介する能力が一般内科医には求められる。
「一般内科」の他、「総合内科」、「総合診療科」等と標榜する病院(医療機関)も増えており医師求人募集が最も豊富な診療科の筆頭となっている。
「消化器内科」は医師求人募集が多い内科系専門診療科の筆頭格。
急性期病院、ケアミックス型病院、療養型(慢性期)病院、クリニック、訪問診療、老健施設などありとあらゆる医療機関から医師求人が寄せられる。
上部・下部内視鏡(カメラ・ファイバー)検査・治療(ESD、EMRなど)や肝臓、胆道、膵臓(肝胆膵、ERCP)など、消化器疾患の内科系専門診療、各診療科患者のコンサルトなど消化器疾患の内科系専門治療のスペシャリスト。
医院(クリニック)では「胃腸内科」と標榜するところも多い。
「循環器内科」も医師求人募集が多い内科系専門診療科の筆頭格のひとつ。
高度急性期病院では心臓カテーテル検査・治療(CAG、PCIなど)やカテーテルアブレーションを積極的に行い、心臓を中心とした疾患を取り扱う。
心臓カテーテルの無い医療機関では一般内科と循環器専門外来など。
また、血液透析に関連した血管病患者(シャント不全、ASO、虚血性心疾患)の受入を積極的に行い、シャントPTA、下肢のPTAからPCIまで対応する事も。
「呼吸器内科」は、医師求人募集のニーズ自体は多い内科系専門診療科のひとつであるものの、専門特化した仕事内容の医師求人は、やや限定的となる。
高度急性期病院からは、肺がんのがん化学療法、がん治療、放射線治療を担う急性期対応が可能な医師求人が寄せられる。
「神経内科」も専門特化した仕事内容の医師求人は、やや限定的となる。高度急性期病院の神経内科でも常勤医師数は1名~数名ほどと多くない。
てんかん、脳血管障害、パーキンソン病・パーキンソン症候群、認知症、片頭痛、三叉神経痛、脊髄・末梢神経障害、筋疾患 多発性硬化症やその他の神経難病の診療を担う。
「神経内科」の専門性と「内科系医師」としての幅広い業務対応を期待して、急性期病院、ケアミックス型病院、リハビリテーション病院、療養型(慢性期)病院、クリニック、訪問診療、老健施設などありとあらゆる医療機関から医師求人が寄せられる。
急性期病院からはSCU管理及び救急外来に脳神経外科関連の患者さんが来院した際の対応等で「神経内科」医師に対する非常勤求人募集が寄せられる。
「糖尿病内科」は「代謝内科」も含んだ数字となっている。医師総数では「神経内科」より若干少ない人数となっている。
「糖尿病内科」も専門特化した仕事内容の医師求人は、やや限定的となる。
「糖尿病専門外来」や「膠原病内科」の診療を期待する医師求人募集が見られる。
「糖尿病内科、代謝内科、内分泌内科」の専門性と「内科系医師」としての幅広い業務対応を期待して、急性期病院、ケアミックス型病院、リハビリテーション病院、療養型(慢性期)病院、クリニック、訪問診療、老健施設などありとあらゆる医療機関から医師求人が寄せられる。
「腎臓内科」は医師数が少ない(腎臓専門医数4,809名)。
その一方で医師求人募集案件数は多い内科系専門診療科である。
急性期病院、ケアミックス型病院、療養型(慢性期)病院、透析クリニック、訪問診療、老健施設などありとあらゆる医療機関から医師求人が寄せられる。
外来や病棟管理の他、透析センターでの「人工透析」、「透析管理」の医師求人募集が多い。シャント造設は別の医師(血管外科医)が対応する場合もある。
「腎臓内科専門外来」の開設が相談可能な医療機関も。
「血液内科」は高度急性期病院からの医師求人募集にほぼ限定される内科系専門診療科である。
がんセンターや地域がん診療連携拠点病院、地域医療支援病院など地域中核の基幹病院が専門診療を主に担っている為、大学医局を辞めて「血液内科」に特化した診療をしたい場合、職場となる医療機関はやや限定的となる。
「白血病」、「悪性リンパ腫」、「多発性骨髄腫」などの他、「感染症病床」の管理といった医師求人募集も見られる。
日本リウマチ学会認定施設からの「リウマチ科」医師求人に特化した募集案件はかなり限定的。
「内分泌内科」医師求人で「一般内科+糖尿病専門外来」や「膠原病内科+総合内科」といった診療の医師求人募集が見られる。
「膠原病内科、糖尿病内科、代謝内科、内分泌内科」の専門性と「内科系医師」としての幅広い業務対応を期待して、急性期病院、ケアミックス型病院、リハビリテーション病院、療養型(慢性期)病院、クリニック、訪問診療、老健施設などありとあらゆる医療機関から医師求人が寄せられる。
「心療内科」は医師数が少ない(心療内科専門医数は日本全国で118名)。
医師求人募集案件としては「内科系(専門不問)医師求人」は多いが、「心療内科」に専門特化した医師求人募集はかなり限定的。一般内科で認知症も診て頂ける先生は歓迎といった内容の医師求人となっている。
精神科病院の内科医募集や一般病院、ケアミックス型病院、療養型(慢性期)病院、メンタルクリニック、訪問診療、老健施設などありとあらゆる医療機関から医師求人が寄せられる。
「感染症内科」という名称での医師求人募集はほぼ皆無。
「感染症」対応可能な医師を求めて「呼吸器内科」での募集が多い印象。
「感染症専門医」は1,424名。
喘息、肺がん、在宅酸素治療など感染症からがん治療までの幅広い領域にわたる疾患の診断・治療が期待される。
呼吸器外科との連携による肺がん治療、各診療科患者へのコンサルト、院内感染防止対策に係る部門の統括など、適切な治療アドバイスなども期待される内科系専門診療科。
「アレルギー科」という名称での医師求人募集もほぼ皆無。
「アレルギー学会専門医」は3,575名。スペシャルティは内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科など。サブスペシャルティでは、アレルギー科、呼吸器科(喘息)、リウマチ科、リウマチ膠原病科、感染症科、腎臓科、気管食道科、循環器科など様々。
以上の通り、本日は内科系の医師転職市場について専門診療科ごとに簡単に概要を見てきましたが、常勤での転職相談/非常勤アルバイト探しなどご相談希望の医師の方は下記までお気軽にご連絡ください。
医師転職コンシェルジュ 事務局
メール:info@doctor-concierge.jp フリーダイヤル:0120-297-488
オーダーメイドで医師の転職/アルバイト探しをサポート致します。
著者:三木正孝
医師転職コンシェルジュ代表。医師の方が自分らしい働き方、ライフスタイルを過ごす事が出来る様な転職支援を行う医師転職コンシェルジュを運営しております。医療業界や医師転職に関する情報に独自の意見も加えて発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。
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