menu
2016/09/18
Contents
静岡県の医師需給状況を俯瞰するシリーズの7回目。 2次医療圏ごとに主要病院や医師の求人ニーズなどのアウトラインを確認していく主旨で、現状を2次医療圏別に紹介している。
今回は熱海市、伊東市の2市で構成される「熱海伊東医療圏」を見ていきたい。
「熱海伊東医療圏」は静岡県の2次医療圏の中で面積が最小であり、人口も約11万人と少なく下から2番目、少子高齢化が進み高齢化率が県内でも高い医療圏となっている。 ちなみに人口が最も少ないのは伊豆半島南部の「賀茂医療圏」で人口約7万人である。 「熱海伊東医療圏」には7病院があり、病床数200床以上の病院は下記2病院のみである。
また、圏域内には、かかりつけ医等への支援を通じて地域で必要な医療の確保・病診連携を推進する中核となる地域医療支援病院が無い。 住民が入院する際には圏域外への流出が多く、特に「駿東田方医療圏」へと流出している。 一方、圏域内の病院に入院している圏域外の患者の割合は3割程だが県外の入院患者が 約2割を占めている(神奈川県と隣接しており気候が温暖な温泉地ゆえだろうか)。
2次救急医療圏は熱海医療圏(熱海市)と伊東医療圏(伊東市)に分かれている。 熱海市における初期及び2次救急医療は、3病院が参加する病院群輪番制により運営されており、伊東市における初期救急医療は、市から委託を受けた伊東市医師会が運営する夜間救急センターにより行われ、2次救急医療は、伊東市民病院が担っている。
圏域内には3次救急医療を担う「救命救急センター」が無く、重症患者は「駿東田方医療圏」の救命救急センターに搬送されている。 熱海伊東は伊豆半島の入口に位置するリゾート地であり観光シーズンは伊豆の東海岸を南北に走る国道135号線の交通渋滞や伊豆スカイラインの冬期凍結など救急車での搬送条件はよくない。
また、へき地医療として、熱海市初島が離島振興法に基づく「離島」としてへき地医療対策の対象地域となっており、初島診療所(熱海市が開設)に医師が週2回診療に赴いている。急患発生時には船かドクターヘリで対応しているものの、夜間や荒天時の対応が課題となっている。
「熱海伊東医療圏」の医師数は242人(うち病院勤務医数151人)、人口10万対比で221.8人と全国平均の97.9%で、静岡県の平均を上回るも、診療科偏在、高齢化などの問題を抱えている。 医師数の充足度では数字を見る限り、西部圏域(浜松市・湖西市)に次いで静岡県内全8圏域中の2番目で、県庁所在地の静岡市を擁する静岡圏域よりも高くなっている(平成24年12月31日現在、厚生労働省調査より)。
「熱海伊東医療圏」は地域性として、他圏域よりも少子高齢化が進んでおり、喫煙率の高さやがん検診受診率の低さなども問題点として指摘されているようである。 以上、静岡県・熱海伊東2次医療圏の概況を簡単に見てきたが、この圏域で医師として働きたいという先生がいればまずは気軽にご相談をいただきたい。
医師転職コンシェルジュへのご相談・ご質問はこちら 次回以降も、静岡県の他の2次医療圏の医師需給状況を俯瞰する内容でコラムを続けたい。
次回も、静岡県の他の2次医療圏の医師需給状況を俯瞰する内容でコラムを続けたい。
静岡県の医師転職マーケットについてはこちら 静岡県の求人情報についてはこちら
著者:三木正孝
医師転職コンシェルジュ代表。医師の方が自分らしい働き方、ライフスタイルを過ごす事が出来る様な転職支援を行う医師転職コンシェルジュを運営しております。医療業界や医師転職に関する情報に独自の意見も加えて発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。
< 前の記事 |お知らせ・コラム一覧へ戻る| 次の記事 >
2017/05/10
2017/04/07
2017/02/28