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がん治療、緩和ケアの医師を求める医療機関

【医師転職コンシェルジュ コラム】がん治療、緩和ケアの医師を求める医療機関

先日、埼玉県川越市にある帯津三敬病院から医師を募集したいと熱心にご連絡をいただいたので初めて同院を訪問してきた。
川越市はご存知の方も多いと思うが、「蔵造りの町並み」や「時の鐘」など江戸時代の面影が今も残る城下町である。池袋から40分、新宿からだと45分、渋谷からも50分程度と実際に行ってみると意外に都内から時間が掛からず、アクセスもそう悪くないという事を感じた。

さて、この帯津三敬病院。
総病床数90床(一般病床64床、地域包括ケア病床26床)で救急(2次救急)もやっている一般病院で、オペ室は1室のみだが整形外科や消化器外科、一般外科などでは手術も行っている“普通”の民間病院なのだが、その一方で全国的にも珍しい(と思う)下記のような特徴がある病院なので少しご紹介したい。

① 緩和ケア
帯津良一名誉院長(東大第三外科出身)が病院設立以来、がん治療に取り組んでおられ、緩和ケアの患者さんを中心とした診療、特に一つの方法論として「ホリスティック医学」を行っている。

・アロマセラピーや鍼灸などの代替療法も積極的に取り入れている。
・緩和ケア認定医師(現在1名)、緩和ケア認定看護師が在籍。
・臨床心理士によるカウンセリングも実施。

② 漢方への取組
・専門外来として漢方外来を開設。
・漢方薬は常時90種類を取り揃えている(これは一般的な病院の3倍程度の品揃え)。
また門前薬局では煎じ薬を常時60種類程度取り揃えている。
・日本東洋医学会専門医・認定医も在籍。効用などの知識習得を目的に月1回程度、院内で研修会を実施。

③ 統合医療
「身体」へのアプローチを得意とする「西洋医学」に加え、「心」へのアプローチを得意とする代替療法を組み合わせ統合療法への積極的な取り組みを実施。

・アロマセラピー
・気功
・びわ温灸、太極拳、音楽療法、心理カウンセリングなどを実施

病院はのどかな田園地帯の中にあり99床の病床は「全て個室」で広々とした廊下などゆったりとした病棟配置となっている。

近く(車で5分ほどの距離)には埼玉医科大学総合医療センターがあり、超急性期の症例や手術応援などで埼玉医科大学からの医師も来ておりバックアップ連携態勢が採られている。

医師の雑務軽減や負担軽減などサポート体制として下記制度が運用されている。

・医師事務作業補助者(医療クラーク)を配置
・医療文書の作成代行、診療記録への代行入力、事務作業などで医師をサポート。
・当直もオンコールも無し
・時短勤務
育児中の医師の方々への支援制度として「正規職員」の身分で1日の勤務時間の短縮や宿日直・時間外・待機勤務の免除などを制度化。

医師を募集中の診療科目

内科、外科、消化器外科、整形外科

医療機器はマルチヘリカルCT(16列・東芝製)、マンモグラフィー(島津製作所製)、デジタルX線TV(東芝製)、内視鏡(オリンパス)などが揃っている。なお、MRIは無い。

最後に帯津三敬病院に今勤務している医師の方の生の声を下記転載させていただく。

~帯津三敬病院・医師の声~
大学病院の診療科は細分化されており、専門領域の経験は積めますが、実践的な経験は、なかなか身につきません。当院では、自分の専門外の領域を診る事も多く、専門の先生に教えて頂きながら、悪戦苦闘しているなかで、自分自身の成長を実感しています。
自分なりに考え、調べ、それでも迷う時は教えを乞う事で医師として学べる事が当院には沢山ある事に気付きました。
また、西洋薬で対応できない時に、漢方が患者さんの病状に有効である事も分かりつつあります。私自身、当院の医療に従事する事にとてもやり甲斐を感じています。

日本には優れた病院や基幹病院が各地に存在し、そういった施設で特にがん治療に携わっておられる医師の方々はevidenceに基づき、手術や放射線治療、化学療法の三大がん治療を中心に日々頑張っておられる先生方が多いと思う。そんな優秀な医師の中にも三大治療の限界を感じた事がある先生もいるかもしれない。今回ご紹介した帯津三敬病院のような西洋医療と代替医療を統合・併用し、緩和ケアにも力を入れている病院もあるという事、そして、このような病院の考えに共感する医師の方がいれば一度ご連絡をいただければと思う。

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新型のがん治療装置を東芝と放医研(放射線医学総合研究所)が共同開発

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TOSHIBAというロゴはCTやMRI、超音波装置など医療用画像診断装置で医師の方々には馴染みが深いブランドであるが、その東芝(東芝本社)は現在、不正会計問題に端を発し経営再建の只中にあり、組織の合理化が待った無しの状況に置かれている。

そんな中、東芝は成長分野であり虎の子とも言える医療機器分野(ヘルスケア事業)の子会社株式(東芝メディカルシステムズ)の50%超を売却する方針を固めた。
これにより東芝メディカルシステムズは東芝の子会社ではなくなる訳であるが、この優良事業の獲得を巡っては数千億円規模で日立やソニー、富士フィルムホールディングスなどが買収を検討していると報じられている。

ちなみに東芝の医療用画像診断装置事業は世界第4位の事業規模であり、医療用画像診断装置の分野で似通った事業構成を持つ日立が仮に東芝メディカルシステムズを買収したとすると、その事業シェアはCTで世界1位、超音波でも世界第2位の規模となる。
富士フィルムの場合は、医療分野では既に超音波の分野に参入(2011年に携帯型超音波診断装置の大手企業、米国SonoSite.Inc.を買収)しており、更なる医療事業の強化を図っていると言われている。
また、ソニーは自社の強みであるイメージセンサーをCTやMRIに搭載する事が可能となり、更に東芝が持つ顧客基盤(病院や医師)に直接リーチ出来るといった各社それぞれの狙い(シナジー効果)が今回の買収を通して見え隠れする。

一方、より大掛かりな装置を必要とする医療分野(重粒子線の技術など)は引き続き東芝本体に残して事業を継続するという方針らしい。

重粒子線を活用した新型のがん治療装置を共同開発が発表された

東芝本体と放医研は放射線の一種である重粒子線を活用した新型のがん治療装置を共同開発し、「世界の研究者から殆どできないだろうと言われていた技術」をこのほど確立したと発表した。

重粒子線はがん細胞を壊す力が強く、狙った患部に集中して照射する事でがん細胞をピンポイントで壊す事ができ、患者の身体への負担も少ないと言われている。
しかし、従来の重粒子線治療装置は搭載する電磁石が大きく、ガントリー全体が大型化(炭素線は陽子線の約3倍曲がりにくいとの事)してしまう為、全長25m、回転部の重量は600トンにも及ぶ大型の装置が必要で、これまでは普及が困難であった。
これを東芝が持つ原子力事業の技術を応用し、今回、小型化に成功したという事らしい。

いずれにしても、CTやレントゲンなど放射線画像診断装置の他、MRIなどは検査機器として医師の方々には大変馴染み深く、今や診断において不可欠なものである。
これら医療機器の充実度合いは医師が転職を考えるにあたり、医療施設(病院やクリニック)を選ぶ際に重要なチェックポイントの一つとなっている項目である。

以前(2007年~2011年)には内視鏡分野で圧倒的No.1(現在も)であったオリンパスが巨額粉飾事件で世間を騒がせた。消化器内科や消化器外科の医師の方々には記憶に新しい事だろう。

大手企業といえども経営の舵取りを誤り、軌道修正をせずにそのままズルズル進んでしまうと、それが表面化した時には一気に経営危機に陥ったり、優良事業の売却を余儀なくされたりといった事態に追い込まれるのである。病院経営においてもそれは同様であろう。
やはり組織は人なりで、病院の場合は医師ひとりで(良くも悪くも)大きく変容する可能性(や危険性)があるという事を時折、実例で目にする事がある。

今日取り上げた東芝のケースでは、CTやMRIのブランド名がTOSHIBAでなくなり、医師の元へ訪れる営業担当者の名刺も違う社名に変わっているかもしれない。

REGZAブランドで知られる東芝の液晶テレビは気の利いた機能を備えた玄人好みの良い製品が多く、個人的には好きなブランドである。
家電事業は既にコモディティ化しており製品の価格下落が激しく、なかなか儲からない事業分野になってしまっているが、東芝のものづくりには良いイメージを持っているので、医療分野では是非、患者や医療現場の医師の方々、技師の方々など関係する人々から愛される東芝の復活を応援したい。

以上、本日のコラムではあまり医師転職や医師求人募集とは関連の無い話題を取り上げましたが、我々「医師転職コンシェルジュ」には、今春入職していただける先生を求めてまだまだ医師求人ニーズが旺盛な医療機関様からの医師募集案件が多数寄せられています。
今春、或いは今秋、1年後など時期は未定でも転職や帰郷、Uターン転職などをお考えの医師の方々は、些細なお問い合わせやご相談も大歓迎です。
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