Tag Archives: 医師

4月から値上げラッシュ。日本は、そして医師は本当に豊かなのか?

4月から値上げラッシュ。日本は、そして医師は本当に豊かなのか?

前回のコラムでは2040年頃には医師が34,000人も余剰になるという見通しを厚生労働省が発表したという話題を取り上げた。そして既に日本は人口減少時代に突入しており、これまでの量的拡大から質的向上を目指すべきという私の個人的見解を述べた。

今日はその日本の質的向上について身近な話題から考えてみたい。
たまに行くカフェに4月になって初めて行った時の事。その店は数種類のモーニングメニューがあり朝から人気の店なのだが、私がいつもオーダーするメニューをウェイトレスさんが覚えてくれていて「いつもの?」、「はい。」で普段は注文が完了するのだが、その日は「4月から値上げなんです。」と申し訳なさそうな表情で仰る。
これまで380円だったモーニングが420円になると言う(1割超の値上げ)。それだけではない。値上げになる上、これまで付いていた小さなサラダが付かなくなると言う。
何となく釈然としないものを感じながらも、まあ、いいかと、その日はそのままオーダーしたが、次回以降の為にメニュー内容を改めて確認したいと思いメニューを貰った。
たった40円の事と思われるかもしれないが、率にすると1割を超える値上げである。

しかも1年前の今頃にも一度値上げがあり、僅か1年の間に2回も値上げがあったのである。
前回はメニューの内容は変わらず値段だけが350円から380円に上がった(率にして約9%の値上げ)。
去年の今頃は消費税が5%から8%に上がったタイミングだった事もあり、まあ仕方がないかと納得したが、今回は内容を改悪する(サラダが付かなくなった)上に1割を超える値上げである。理由は敢えて聞かなかったが、恐らく様々な原材料コストが4月から値上げとなっている事を受けて止む無く値上げをするという事だと推測している。

元々このカフェに時々だが行くようになったのは、場所が良い事と350円にしてはその内容が充実しているというか、コストパフォーマンスが高くお得感があると最初に感じたからなのだが、このカフェは今時珍しく全席喫煙OKで愛煙家の人たちが常連客となって集まっている店なのである。空気清浄機は備えてあるものの、客の大半が喫煙者の為、煙草を喫わない私にとってはその点においてはお世辞にも快適に過ごせる場所とは言えず、最早この店に通う理由は無くなってしまったと今回のメニュー改悪と1割を超える値上げのWパンチを受け、考えさせられた次第である。

何もこの店の営業姿勢を批判しているのではなく、そういう経済環境の中に一般庶民の暮らしやお店も既に放り込まれており、様々なコストアップ要因から仕方なく値上げや中身を少なくする(実質値上げ)などの企業努力をせざるを得なくなっているという事を実感する出来事だったのである。トイレットペーパーも紙幅をギリギリまで狭くして原材料の値上げ分を売価に転嫁しないで何とか凌いでいると言うがこれとて量が減っているのだがら実質的には値上げである。

前置きが長くなったが、政府はアベノミクスで日本経済は順調に回復しており2020年の東京オリンピックに向けGDP600兆円を目指す方針だと言う。ちなみに2015年の日本のGDPは約500兆円(2015年10月時点のIMFによる推計)で、今よりも2割も拡大するという計画である。
海外から日本を訪れる外国人観光客が激増し、彼らが日本で爆買いをしてくれたり、ホテルの稼働率が軒並み上昇したりといったプラス要因もあり、その実現可能性については何とも言えないが、我々日本で暮らす者としては、出張時にホテルが取りにくくなり、宿泊料金もホテル側が強気の値段設定に転じて高騰しているなど、マイナスの影響の方が多いような気がする。
日本のGDPが拡大しても個々人の所得(特に可処分所得)が増えないと意味が無いのである。

医療機関にとっての消費税のアップは経営を圧迫

国の財政状況が厳しい為、政府は消費税を10%に引き上げる事を決定している。その実施時期については流動的だが、個人にとっては出ていくお金が増える事は既に決定事項なのである。
医師の方に直接的に関係が深いものとしては病院経営にとっての消費税である。医療機関の経営は消費税増税の影響を受けやすい側面がある。なぜなら医療機関にとっての売上である診療報酬は非課税の為、患者さんや保険者に消費税のアップ分を請求する事は出来ない。他方、支出項目である医療材料費などには消費税が掛かる為、消費税が増税されると医療機関の支出は増え、その分、収支が厳しくなり経営姿勢がこれまでよりもシビアになる事が予想されるからである。
※一応、消費税の増税に伴い診療報酬の一部は引き上げられている。

アルバイトの回数を増やす医師が増える?

医師の方も実生活で考えると、年収が増えないと、同じ生活を送っていたとしても消費税増税に伴い家計支出は増え、更に社会保険料負担も徐々にアップするなど可処分所得は確実に減少する。
学会出張の際などにホテル宿泊費が高くなっている事なども実感しておられる医師の方もいると思うが、当直やアルバイトの回数を少し増やして生活防衛をする医師が増えるかもしれない。

私は日々多くの医師の方から色んなお話を伺うが、収入は多いが支出も多いというのが医師の方に見られる一般的な傾向で、今の日本は(特に都市部においては)生きていくのにとてもお金が掛かる構造になっているように感じる。
高い報酬を得ようと思うと遮二無二働くしかなく、ゆっくり働こうと思うと、安い報酬に甘んじるか、或いは医師としての自分の理想像やプライドといった何かを捨てて仕事の内容や拘りは二の次にする必要があったりするのが現実かもしれない。

今回は、少し長くなったので次回に続けたい。

年収、スキルアップ、職場の人間関係、将来のキャリアにおいて今の環境を変えて転職を考えている医師の方は、是非我々医師転職コンシェルジュにお問い合わせください。

医師の方の目指すライフスタイルを実現するための転職を全力で応援致します。

医師転職コンシェルジュへの医師登録はこちら

医師の年齢や年収についての考察

医師の年齢や年収についての考察

今回のコラムでは医師の年齢や年収について少し考えてみたい。
まず、医師の年齢であるが一番若い医師(研修医)の年齢は24歳。
高校卒業と同時に大学医学部(や医科大学)に現役で入学=18歳、そして医学部での6年を順調にクリアし卒業認定を得て医師国家試験(2月半ば)に合格(3月末)、医籍登録、そして晴れて初期研修医に(4月)、これが現在の日本における医師への最短ルートで24歳である。

一方、年齢のupper sideは元気で意欲があれば90歳を超えてなお現役で活躍している医師もおられるので上限はどんどん伸びている。
今や80歳以上のベテラン医師も珍しくはない時代である。

定年制のある医療機関や医療法人は多いが、医師側が心身ともに元気で医師自身が働く事を希望し、且つ病院側からも必要とされている状況であれば、嘱託契約に移行したりして(多少の雇用条件変更などはあるかもしれないが)、勤務を継続する事が可能である。
医師には事実上年齢による一斉リタイア(退職)というものが無いといっても良いかもしれない。
医師は自分の引退時期や引き際を自分で決める事ができる稀有な恵まれた立場とも言える。

一般企業で働く人(サラリーマン)が定年後の再就職先を探す場合は相当の年収ダウンを受け入れないとなかなか働く場所を確保する事すら難しいケースが多いが、医師の場合は70代でも80代でも、あまり年齢に関係無く一般人が羨む程の高年俸を稼ぐ事が可能である。

医者の年齢別平均年収はコチラ

その分、医師になる為に、多くの投資(時間もお金も)や入学偏差値で最難関の医学部へ入学すると共に医師国家試験を突破するだけの知的能力(学力)も必要で、更には医師になってからも日々勉強、研鑽が必要で、且つ、実労働時間が長く、休みも少ないなど心身ともに大変な職業である。
医師は医学部の入学偏差値から見れば知的職業の筆頭格と言えるが、身体を壊して医師としての勤務を続けられなくなると途端にこれまでの高収入を維持する事が困難になってしまう。
医師として長く働く為に必要な能力、それは何より健康でタフである事、これが必要条件のひとつと言えるだろう。

医師は総じて元々の収入が多く生活水準(固定費負担)も相応に高い人が多い為、それが無くなった時のインパクトというかマイナスの振れ幅が非常に大きくなってしまう場合が多い。
年収300万円の人が年収100万円にダウンしても生活レベルを落とすなりして何とかやっていけるかもしれないが、年収2,000万円の医師が年収100万円にダウンするととても生活する事はできないだろう。
ちなみに所得補償保険(収入保障保険とか就業不能保険とか)というものがあるので関心のある医師の方は調べてみて欲しい。

医師の可処分所得を増やす方法とは?

【収入を増やす】
①勤務医としての給与収入を増やす。
②複数の病院からのアルバイト収入を増やす。
これが手っ取り早いが、その分、自由な時間が減る事になり、身体的にもハードになる。
そして稼ぎが多くなれば有無を言わさず天引きされるもの(所得税、住民税、社会保険料など)も多額になる(そうは言っても額面が増えれば、少なくとも手取りは増える)。
③優秀な税理士の力を借りて確定申告で払い過ぎた税金の還付を受ける。
④医師としての給与以外の収入を得る方法を構築する。

【支出を減らす】
見栄の為に高い家を買わない、高いクルマを買わない、子供を学費の高い私立一貫校ではなく公立進学校に通わせる・・・、これらの固定費支出をコントロールする事ができれば可処分所得は増えるが、人生の彩りや面白み、楽しみは少なくなってしまうかもしれない。何に重きを置くかの価値観は人それぞれであるので一概に何が正解という事は無い。

なかなか悩ましい問題だ。

という事で年間収入が多くなると医師は(医師に限らず誰でもだが)無駄な税金を減らす(節税)方法はないものかという様々な考えが頭をよぎる事になる。

自分のクリニックを開業する? でも開業には多額の資金が必要だなあとか、
医局を出て高い年俸を払ってくれる民間病院に転職する? でも医局を辞めるのは勇気がいるしなあとか、
医者としての仕事を続けながら投資収入(不動産や金融資産から)を得られないか?
何か医師免許を活用したビジネスを展開できないか?
でも医者として働く以外にビジネス経験なんて無いし、そもそもそんな事を真剣に検討する暇もないなあとか。
副業などで余計な心配事が増え過ぎて医師としての仕事(本来尽くすべき責務)が疎かになっては元も子もない。
という事で大多数の医師は日々、目の前の患者やこなさなければならない仕事に向き合っていくのだが、その平凡な日々(と本人は感じているかもしれないが)、それが実は失って初めてとても得難く素晴らしいものだったと気付くという事もあるかもしれない。
行くべき場所、やるべき仕事があり、そこで待ってくれている人たちがいるという事は、それ自体がとても価値がある事だと思う。

今回は取り留めもなく思いつくままに書き連ねたが、また、今後も機会を見つけて医師の関心事のひとつである年収や年齢といったトピックを取り上げて行きたい。
気になる医者の年齢別平均年収はコチラ

医師転職コンシェルジュでは、勤務医の平均年収アップの転職先支援はもちろんの事、医師の方が自分らしく働く事ができて、ご自身の求めるライフスタイルを得る事ができるような転職をサポートしております。
もし、様々な事情で現在の職場環境でご満足頂いていない場合は、医師転職コンシェルジュへお問い合わせ下さい。
医師転職成功事例はコチラ

医師とクルマ(車)の関係性

医師とクルマ(車)の関係性

親しくなった医師と仕事以外の話しでよく話題に上がるものの一つがクルマ(車)である。
一般論だが(或いは私の個人的見解かもしれないが)、車が好きという医師は多いように思う。
電車やバス、或いはバイク、自転車で職場の病院やクリニックに通勤する医師も多くいるが、車を日々の足として使う医師は多い。
常勤先での仕事に加え、外勤アルバイトをしていると移動の足として車の方が移動時間を短縮できて便利、或いは公共交通機関が動いていない夜間や早朝でも移動が可能という事もあるだろう。
それにも増して、日々忙しい医師にとっては数少ない(?)娯楽の一つが車(モノとしてそれ自体、或いはdriving pleasureとして)なのかもしれない。

私の周りの医師が乗っている車のブランド傾向について

私の周囲の医師たちが乗っている車で多いものを車種やブランドから見ていくと、
趣味の車として、或いは移動の安全性、或いは所有感を満たしてくれるモノとして、など様々な選択理由があるのだろうが、やはり輸入車比率が高く、とりわけ(日本全体の傾向と言えるが)ドイツ車の割合が高いような気がする。

メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、VW(ゴルフ、ビートル、トゥーラン・・・)など。
ドイツ車以外ではイギリスのレンジローバーをはじめとしたランドローバー、ジャガーなどの高級車が続く。
スウェーデンのボルボ(特にステーションワゴン)も高い安全性や質実剛健なイメージが好まれているようだ。また、アメリカのハマーといった超大型のSUVに乗っている先生も私の知る範囲だけでも数名いらっしゃる。
輸入車と同じような立ち位置でレクサスを選択する医師も増えているように感じる。内装の豪華さに加え品質に対する絶大なる信頼感でレクサスは一歩抜きん出ているようだ。
その他、国産高級車では長距離移動が楽なGTカーやクーペモデル(フェアレディZなど)、そしてフーガなど高級セダン、走行性能やエンジンへの拘りからスバル(レガシー、WRXなど)を愛用している医師もチラホラ見受ける。家族が多い医師の中にはアルファードなど高級ミニバンに乗り換えた先生もおられる。
他方、意外にイタリア車(アルファロメオやフィアットなど)やフランス車(シトロエン、プジョー、ルノーなど)に乗っている医師は(私の周囲には)少ないようで、これらは過去のイメージから来る工業製品としての品質に対する漠然とした不安に加え、やや趣味的な嗜好が強すぎるのかもしれない。フェラーリやポルシェなどもあまり見掛けない。この辺りは仕事柄あまり派手に出来ないという事情もあるのだろう。

一方、輸入車ばかりではなく日本車を愛用している医師も当然多いが、こちらは輸入車を選択するのとは少し意味合いが異なり、低燃費(燃費が良い)など経済性を重視しての選択という印象。
病院への通勤の足としてトヨタプリウスに代表されるハイブリッドカーを使っている医師は多い。家族がいる医師の場合は、2台持っていて、(例えば専業主婦の)妻はメルセデス・ベンツで中高一貫校に通う子供の送迎やお買い物、(例えば勤務医の)夫はプリウスで病院へ通勤という具合。日本という国は嫉妬社会という面もあり、余計な事で目立ってもあまり良い事は無いという理性的判断から病院への通勤であまり派手なクルマというのも憚られるという事があるのだろう。

乗る車でまわりに与える印象は変わる

私の伯父は田舎の開業医であったが、地域医療にその生涯を捧げたといっても過言ではなく(と私は思っている)、自宅(兼医院)のガレージにはマツダのファミリアが停まっていた。
その大衆車ファミリアで伯父はよく往診に出掛けていたらしい。
偉ぶらずとても優しい良いお医者さんだったと周囲の人々からの評判は上々だった事を今でもよく覚えている。
私が小学生時代、夏休みにその伯父の家へ遊びに行った時、伯父は忙しい仕事の合間を縫って車で従兄弟と私を海へ連れていってくれた。今でも楽しい思い出でその伯父の事は大好きだ。自分の事は後回しで常に患者さんや周囲の人の為に尽くした、人としても医師としても本当に素晴らしい人物だった。
恐らく他の車に乗っていた時代もあるのだろうが、私が知るのは唯一上述したマツダのファミリアなのである。車というのは移動の足であると同時にある種のファッションアイテムとしての役割やその人のライフスタイル・主義主張の一端をそこから垣間見る事ができると思っている。
経済的には趣味のクルマ(車)というものを楽しめるだけの財力は十二分にあったと思うが、医師としての仕事が忙しく、それどころではなかったのか、或いはそういったものには興味が無かったかのどちらかだろうと思う。
この伯父が違う車に乗っていたら、私のこの伯父に対する印象もまた少し異なったものになっていたのかもしれない。もしも派手な車に乗っていたら、医者というのはお金持ちになれて、周囲の人から尊敬されて、あんなにカッコイイ車に乗れるのかと単純に思うと同時に派手好きな伯父さんという印象に変わっていたかも知れない。

また、別の人物(この人物は医師ではない)の話になるが、私が子供の時分にオレンジ色のシボレーコルベットスティングレーに乗っていたおじさんが近所に居た。ある日そのシボレーに乗せてもらった私は満面の笑みでシボレーと共に写真に収まったなんて事もあったなあと今でも覚えている。このおじさんは今なお自分の中では「シボレーのおじさん」なのである。
外見や所有物のみでその人を判断すると時に人を見誤るが、人というのは結構単純なもので、表面的なものや第一印象に大きく左右されてしまうという気がする。

私は子供の頃(スーパーカーブームの頃)からクルマ(車)が好きなので、車が好きな医師の方と仕事以外の話しで盛り上がるのも楽しいひとときである。
車を乗り換えたという話を聞くと機会があれば実車を見たい、できれば同乗させていただきたいと思うくらいである。

ライフスタイルによって、その時々で乗れる車というのはどうしても様々な制約から限定されてしまう。例えば、自分以外の家族も運転する車だとマニュアルミッションはダメだとか、2ドアはダメとか、燃費の悪いクルマはダメとか・・・。
可能な範囲で自分が乗っていて楽しい、欲しいと思えるクルマ(車)を選びたいものだ。
車は贅沢品という一面もあるが、車好きの人にとっては、誰かと一緒にドライブして楽しい時間を過ごしたり、趣味として車そのものを楽しんだりして人生を豊かにしてくれるアイテムの一つだと思う。

さて、今日は全くの独断と偏見、私の子供時代の回想も含め車の話題を取り上げましたが、「医師転職コンシェルジュ」では、転職やアルバイトをお考えの医師の方々からの転職相談のお問い合わせやアルバイト探し、仕事の話のみならず車談義なども大歓迎です。車好きの医師の方もそうでない医師の方も医師転職コンシェルジュへどうぞお気軽にお問い合わせください。

医師の方で年収あアップの転職をご検討されている方は、年収アップ・給与アップの医師転職の成功事例も掲載しておりますので、是非そちらもご覧頂ければ幸いです。

遂に日本史上初のマイナス金利導入、さて医師の生活への影響は?

遂に日本史上初のマイナス金利導入、さて医師の生活への影響は?

本日、2016年1月29日昼過ぎに日本銀行がマイナス金利の導入を発表した。
これはかなり異常な金融政策(というか状態)で“日本史上初めて”の出来事である。
金融マーケット関係者の多くには想定外でビッグサプライズだったようだ。
お金を預けるとマイナス金利で目減りしてしまうという貯蓄に対してペナルティを課すようなこの金融政策。
(※個人が銀行に預けている預金がマイナス金利になる訳ではない。)
欧州では既に導入されているこのマイナス金利という「ある種異常な金融政策」を遂に日銀も導入せざるを得なくなった訳である。

これは銀行が新たに日本銀行に預けるお金(当座預金)のうち一定額を上回る部分にマイナス金利(金利を付けずに、逆に手数料を課すというもの)を設定し、預けているお金が実質的に目減りするというものである。

平たく言えば、日銀は「これ以上うちにお金を持ってこないでくれ。景気を良くしようとお札を一生懸命増刷してるのに、全然世の中にお金が回らず、うちの金庫に殆ど戻ってきてしまっている。銀行さんよ、ちゃんと企業や病院、クリニックにどんどん貸出を増やして新しい医療機器など設備投資をしたり、雇用を増やし(医師を増員)、給与もアップ、個人には住宅ローンを組んでもらってマイホームを買ってもらうなど景気を良くするように頑張ってくれ。銀行としての貸出努力をせずに日銀にお金を預けるだけで金利を得ようとしてもそれはもうダメだよ。金利はゼロにして逆に管理手数料をもらう事に決めたから、うちに持ってきたら損だよ。」という政策を導入するのである。

我々一般国民や病院、クリニック、一般企業などが市中銀行(都銀やゆうちょ銀行、地銀、信用金庫など)に預けている預金がマイナス金利になるという訳ではないが銀行の収益状況が厳しくなれば、廻り回って間接的に一般預金者へのサービス低下を招きかねない。
今でもタダみたいな預金金利であるが、この異常な金融環境が常態化すれば、いずれは少額の預金口座に対しては口座維持管理手数料を課したり、更に高いATM利用手数料になったりといった事が出てくるかもしれない。

現に海外では預け入れ残高が一定金額未満の口座からは容赦なく口座維持管理手数料を取るという銀行は珍しくない。銀行にとってメリットの少ない小口顧客にはご退室願うか、或いは居ても良いけど相応の手数料を貰うよという結構露骨なルールなのである。

日本もいよいよそういった世界標準(?)に向かっているのか、これまでのように「みんなにある程度平等に優しく」、“世界で唯一成功した実質的には社会主義の国”とも言われた日本もだんだんと財政的な余裕がなくなってきて、様々な奇策を打ち出さざるを得なくなってきているのだ。

あなたらしい医師としての働き方について、再度考えてみてはいかがでしょうか?

医師の皆さんは世間的に見れば高い年収を得ておられる方が多いと思うが、有無を言わさずに天引きされる高額な所得税や住民税、社会保険料、子供の教育費、高い住居費(家賃や住宅ローン)、車の維持費などなど・・・、
(ガソリン代だけは最近えらく安くなってはいるが)今後も消費税の10%へのアップなど既定路線であり、結構稼いでいる筈なのに出て行くお金のあまりの多さに、「働けど働けど猶わが生活(くらし)楽にならざり ぢつと手を見る」という歌人・石川啄木の『一握の砂』の有名な一節が実感として頭に浮かぶ人も多いのではないだろうか。

ここのところ海外で働きたいという医師からのご登録や海外医師求人へのお問い合わせも多い。ここ20年くらいの日本には何となくどんよりとした閉塞感があり、平和で豊かな筈のこの日本という国の中で、暮らしにくさを感じている人が案外多いという事を多くの医師と話す中で感じる事がある。
昔(預金金利が5%とかあった時代)なら、頑張って一億円貯めれば、預金金利で年間500万円入ってきて、それに年金もあるので悠々自適に引退できたのだろうが、今は金利収入というものが期待できず、年金もあまり明るい未来は無さそうだ。死ぬまで働く、それが当たり前の時代がくるのかもしれない。

大抵の経済的な問題は年俸を増やす事で、ある程度は解決できるかもしれないが、気を付けなければならないのは、無目的にお金だけを追い求めると蟻地獄のような悪循環に陥ってしまう事がある。
必要なだけの額の年俸を確保できれば(足るを知る)、あとはそれよりも、自由になる時間や精神的なゆとり、腹を割って語り合える仲間、家族、友などを大切にした方が良い。

日銀がマイナス金利を導入(ジャブジャブに金融を緩和)する事で、一般の銀行が企業や個人への貸出をどんどん増やし、企業はそのお金で新たな設備投資や事業拡大を図り、個人は住宅ローンを組みやすくなるとか、景気が刺激され経済状況が良くなり今よりもみんなが住みやすい国になれば良いのだが、何にせよ、自分達で制御できる範囲内に留めておいてもらいたいものだ。
Uncontrollable(制御不能)な状況になるような事だけは避けてもらいたい、そんな風に感じた「マイナス金利」導入のニュースであった。

さて、今日も少々固い内容のコラムになってしまいましたが、
本日も「医師転職コンシェルジュ」には、地方の病院の医師採用担当者の方が今春入職していただける先生の情報を求めてお越しになりました。
まだまだ医師求人ニーズが旺盛な医療機関様からの医師募集案件が多数寄せられています。
今春、或いは今秋、1年後など時期は未定でも転職や帰郷、Uターン転職などをお考えの医師の方々は、些細なお問い合わせやご相談も大歓迎です。
医師転職コンシェルジュへどうぞお気軽にお問い合わせください。医師転職をご希望の方は当サイトの医師登録ページよりご登録ください。あなたらしく働ける環境をご用意できるように全力を尽くしたいと思います。