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病理診断医(病理医)の医師転職マーケット事情

病理診断医(病理医)の医師転職マーケット事情

今日はクリスマスである。FMから流れてくるクリスマスソングとDJの軽妙なトークを聴きながらこのコラムを書いている。
医師の方や入院中の患者さんもそれぞれの12月25日を過ごされている事だろう。
日本は宗教や様々な価値観に寛容で、それぞれの良い点をいいとこ取りして自分たちの色に染めるような柔軟性があるように思う。

Doctor of Doctorsと呼ばれる病理医

さて、今日は病理診断を話題として取り上げたい。
言うまでもなく病理診断は現在の医療に欠かす事ができない分野である。
病理医は、全ての臓器、全ての患者を対象に様々な疾患の確定診断を担う“Doctor of Doctors”とも呼ばれる医師である。
患者さんに直接会う機会は少ないものの、臨床医からの診断依頼に応え、様々な疾患の確定診断から正確で最適な治療方針決定へと導く事を使命とする医師である。

病理医である田村浩一先生の著書「図解入門 よくわかる病理学の基本としくみ」に下記のようなアメリカンジョークの記載がある。
(内科医の先生方、外科医の先生方、アメリカンジョークとの事なので、くれぐれも気を悪くなさらないで。)

内科医は何でも知っているが何もしない。
外科医は何も知らないが、何でもやる。
病理医は何でも知っていて何でもやるが、たいていは手遅れである。

病理医といえば病理解剖という一般的イメージからのブラックユーモアで、アメリカにおいては日本よりも病理医の数が多く、一般の人々にも仕事内容がある程度イメージできるほど身近な存在という事らしい。

日本においては、「病理診断科」や「病理外来」を標榜できるようになって久しいが、それでも常勤の病理医を擁して病理診断科を標榜している医療機関は病床数300床以上の施設が殆どのようで、規模の小さい病院では病理検査室が無いところが多く、非常勤の病理医がいる場合もあるが、多くは検体検査を外注しているのが実態である。
そして、日本の病理診断の65%以上は病理診断の検査センター(衛生検査所)などに持ち込まれて行われているようである。
病理の標本は、ホルマリンで固定され脱水、脱脂の後、パラフィン(蝋=ろう)に埋め込み、薄切り、染色という過程を経る為、どうしても丸一日程度は時間を要す。
検体を病院まで回収に行き、検査センターで標本を作成、その標本を病理医に送って診断を委託し、上がってきたレポートを依頼元の病院に届けるという流れだと、病理結果の診断に数日掛かってしまうというのが病理診断の現状のようである。

検査センターも様々であるが、病理専門医の常勤医師は1~2名、それに非常勤で仕事を依頼する(登録)病理医が20~30名といった施設が多いのではないだろうか。

病理診断の種類と病理医のキャリアについて

病理診断には以下の様なものがある。

・ 細胞診断
・ 生検組織診断
・ 手術で摘出された臓器・組織の診断
・ 手術中の迅速診断
・ 病理解剖

「病理専門医」資格を取得した後の病理医の主なキャリア(進路)は以下の様なものが一般的だろうか。

・大学の病理学教室
・大学病院病理診断科
・一般病院(だいたい300床規模以上)病理診断科
・病理診断の検査センター
・病理診断専門のクリニック(開業)
・米国など海外での病理医としてのキャリア

日本病理学会認定の病理専門医は2,200名程度と絶対数が少なく、全国的に病理医不足の傾向が強い。
病理診断は患者の状態に左右される事が少ない事から、子育てや家庭との両立が比較的しやすい科目とも言われており(病理解剖で夜間、休日に呼ばれる事もあるが、最近では病理解剖も日中に行う病院が増えている)、女性病理医の割合が高い事も特徴であり、20~30代の病理医の半数近くは女性病理医が占めている。
病理科の転職市場と求められる医師像についてはコチラ

病理診断医(病理医)の医師求人募集情報をお探しの医師の方へ

医師転職コンシェルジュには常勤・非常勤の病理医を求める医師求人募集案件が寄せられ、一方で転職を考える病理専門医の医師からもご相談をいただいており、よい橋渡しができるようにと心掛けて常々仕事をさせていただいている。
病理診断医に対する医師求人募集案件の一例としては、
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という訳でタイミング良く、Chris ReaのDriving Home for ChristmasがFMから流れてきたので、今日はそろそろこの辺りで切り上げてまっすぐ家に帰ろう。

それでは皆さん、楽しいクリスマスをお過ごしください。